研究課題
基盤研究(C)
昆虫に共生する細菌の中には,宿主の生殖を勝手に操作するものがいる。オスだけを殺す「オス殺し」や,精子を改変して不妊化する「細胞質不和合」など,多彩な生殖操作が知られる。近年ようやく,研究者はこれら不思議な現象の原因因子を同定し始めるに至った。これらの細菌因子は,宿主の生殖の仕組みに干渉することで操作を実現するが,その機構にはどの程度の普遍性・特殊性があるのだろうか。またこれら不思議な共生関係は,一体どのように進化してきたのだろうか。本研究課題では,これらの問いに挑戦する第一歩として,ショウジョウバエのオス殺しスピロプラズマが持つ毒素タンパク質Spaidの作用機序を完全に理解することを目指す。