研究課題
基盤研究(C)
都市化によって単独性のハチやアブの訪花頻度が増加すると、雌雄異熟の総状花序を持つ多年草(アキノタムラソウ)の繁殖成功度は大きく低下するだろう。自動自家受粉が可能な一年草(ツユクサ)では、阪神地域において送粉者の訪花頻度の減少が葯と柱頭の距離を減少させたという報告がある。一方、関東地域ではそのような形態変化は確認されていない。関東地域では能動的な自動自家受粉(同花受粉)ではなく、昆虫を介した自家受粉(隣家受粉)が増加しているのかもしれない。いずれの植物においても、繁殖成功度に対する花粉流動の質的変化が重要な役割を果たしており、それら一連の過程を明らかにすることが本研究の目的である。