| 研究課題/領域番号 |
24K08967
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分39070:ランドスケープ科学関連
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| 研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
廣田 充 筑波大学, 生命環境系, 教授 (90391151)
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| 研究分担者 |
増本 翔太 筑波大学, 生命環境系, 助教 (40738861)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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| キーワード | 都市緑地 / 芝地 / 刈取り / 生物多様性 / 生態系機能 / 蒸発散量 / 純生態系生産量 / 維持管理 / 撹乱 |
| 研究開始時の研究の概要 |
都市緑地は、環境と社会に関わる重要かつ多面的な機能を有する。そのため、都市には一定以上の都市緑地が求められており、その持続的管理も大切である。人の手によって管理されている都市緑地では、管理手法がその生物多様性に多大な影響を与える。したがって、都市緑地の生物多様性を保全するには、都市緑地の管理が生物多様性に及ぼす影響を明らかにする必要がある。本研究では、都市緑地で一般的に行われている草刈りが、分散能力の異なる植物・昆虫・菌類の生物多様性に及ぼす影響を明らかにして、都市緑地景観の生物多様性保全を見据えた持続的な管理(草刈り)方法の提示を目的とする。
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| 研究実績の概要 |
つくば市内にある筑波大学キャンパス内の3つの草地を対象として、春夏秋3回刈取り区、春秋2回刈取り区、および刈取り放棄区を設置し、それぞれ1mx1mの方形枠を基本プロットとする植生調査を植物量が最大となる8月と9月に実施した。その結果、植物種数は3回刈取り区で最大(平均28.5±3.2種)となり、2回刈取り区(22.3±6.9種)、放棄区(12.6種±4.9種)であった。機能タイプでみると、刈取り区ではイネ科草本の割合が著しく減少し、その結果広葉型草本の割合が有意に増加していた。一方、地上部バイオマスは、放棄区で最大(1100±85.1 g dw m-2)となり、2回刈取り区(870.5±98.2 g dw m-2)、3回刈取り区(741.5±138.2 g dw m-2)であった。温湿度や土壌水分については、刈取り処理区において刈取り直後には大きく変化するが、1週間から10日後には放棄区と有意な違いは見られなかった。 草地の炭素蓄積および温度緩和機能を定量化するため、CO2とH20フラックスを計測する軽量型チャンバーシステムを開発した。室内での性能確認を終え、野外での計測に用いることが可能であることを確認したうえで、ノシバ、高麗芝、ウィンターフィールドの3種の暖地型シバを農地に植えてCO2フラックスおよびH2Oフラックスの計測を行った。初年度は予備実験の段階であるが、光強度に応じた日変化パターンに加えて、降雨の直後に呼吸速度(CO2の放出フラックス)が急増することなどを確認した。 土壌菌類と昆虫相に関する調査は2年目以降に実施する予定である。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね順調に進展している判断した理由として、計画通りに、筑波大学のつくばキャンパス(茨城県つくば市)内に3つの調査区を設置して微環境計測を開始していること、および植生調査を終えたこと、さらに当初の計画には入れていなかった炭素循環および水循環に関する生態系機能を定量化するためのシステム開発に成功したことが挙げられる。一方、計画通りに進んでいない点として、さいたま市と千葉市での同様の調査区の設置が出来ていないこと、そして昆虫と土壌菌類の調査が進んでいないことが挙げられる。前者に関しては、想定していた予算よりも少なかったことから、調査地を減らす方向で考えている。昆虫と土壌菌類の調査に関しては、研究協力者および研究分担者との打ち合わせまでは終えており、サンプルさえ入手できれば調査・分析を開始できる段階にある。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方針として、植生調査を継続するとともに昆虫相と土壌菌類相の調査を行う。昆虫相については、スイーピィングによる地上部の昆虫を採取し同定していく。同時に、ピットフォールトラップを設置し、地上徘徊性昆虫を採取し同定していく。土壌菌類相については、表層土壌を採取し、ゲノム解析によって明らかにしていく。調査地については、既に調査区の設置を終えている筑波大学つくばキャンパス(つくば市)に加えて、より市街化している地域に調査区を設置し、同様の調査を行う予定である。尚、当初の予定では千葉市とさいたま市を候補地と考えていたが、予算の効率的な利用を考えて、つくば市近郊に変更して調査を行う予定である。 もう一つ、当初の研究計画になかったが新たに実施する項目として、代表的な都市緑地である芝地を対象としたCO2フラックスとH20フラックスの計測を行うこととした。これは、実際に都市緑地を観察した際に、芝地の生態系機能を評価することがより重要で独創性の高い研究になると思ったからである。2年目は、まずはつくば市内の芝地で独自に開発したチャンバーシステムを用いた計測を行う予定である。
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