研究課題
基盤研究(C)
高径木が密生する熱帯雨林では、夜半~夜明けにかけて林内に蓄積された冷気と森林上部の暖気との間で接地逆転層が生じるため、野生生物の鳴声音は、より遠方に伝播すると考えられる。しかし森林伐採などの攪乱下では林内温度環境が非連続となるため、鳴声音は遮断・減衰されてしまう。本研究では、これらを実験的に確かめるために、人工的に発生させる音の伝播距離が、接地逆転層の持続時間に応じて、自然林、伐採跡の二次林、農地との林縁部で、どのように異なるかを明らかにする。それらの結果をドローンや航空機LiDARやサーモグラフィーデータに外挿し、鳴声音の伝播からみた野生動物の生息環境の定量的評価を行うことを目標とする。