本研究は、多収品種が有する課題を一般品種との対比から生産現場における三つの課題の視点から把握し、①一般品種と比べて地域的な条件に見合ったきめ細かな多収品種の開発と普及の遅れ、②濃厚飼料源としての多収品種が一般品種に対する栄養価上の優位性を確立できていない問題、③飼料用米需給の地域的ミスマッチによる耕畜連携の不十分性に起因する堆肥・有機質肥料の投入不足(多肥への消極性)に求めることにしたい。本研究は、こうした飼料用米をめぐる課題に対して、生産・流通・消費現場における三つの視点から課題を明らかにし、これまでの飼料用米振興政策の「中間総括」を行い、今後の新たな課題を提起する。
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