| 研究課題/領域番号 |
24K09150
|
| 研究種目 |
基盤研究(C)
|
| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分41040:農業環境工学および農業情報工学関連
|
| 研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
安保 充 明治大学, 農学部, 専任准教授 (00272443)
|
| 研究分担者 |
藤井 紳一郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (10415739)
稲垣 和三 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究部門長 (50356490)
佐藤 道夫 明治大学, 農学部, 研究推進員(客員研究員) (00588775)
|
| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
|
| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
| 配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2026年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
| キーワード | 微細液滴 / ナノ粒子 / ネブライザー / 水酸化 |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究は、液肥あるいは殺菌剤を20 μm以下の微細液滴として葉面散布した場合に、物理化学的効果により無機イオンおよび有機物がどの程度変化し、噴霧後の葉面にどの程度の期間残留し、植物にどのような影響・効果を与えるのかについて調べるものである。微細液滴を高いガス圧(120 psi)で発生させると、気液界面で OH- → OH・+ e-の反応が起きることが報告されており、本研究では、産総研で開発された高性能ネブライザー(極微細液滴発生ノズル)を用いて、無機イオンのナノ粒子化と有機物の水酸化を報告値よりも効率的に発生させ、これら物質の葉面における残留性確認を行う。
|
| 研究実績の概要 |
本研究は、20μm以下の微細液滴を噴霧した際の気液界面反応(OH-→・OH + e-)を利用し、有機物の水酸化や無機イオンの還元反応を起こすと同時に、それを葉面散布し、植物の影響評価を行うものである。噴霧により植物刺激剤的な効果、つまり生育促進やストレス耐性の増強が認められれば、過剰な施肥や薬剤散布を抑えることにつながる。 本年度は、まず安定した微細液滴噴霧条件の検討と、微細液滴反応の確認、具体的には蛍光光度計、電子スピン共鳴装置(ESR)、電子顕微鏡(SEM, TEM)による反応確認を行った。微細液滴の生成条件は、生成する過酸化水素の発生量を試験紙を指標に検討した結果、初期条件の2倍の液量10μL/minで約30μMの過酸化水素を発生させるガス流量条件を設定することができた。次に水酸化反応では、モデル実験としてソニケーターによるヒドロキシルラジカル(・OH)発生によるクマリンの水酸化を行い、ウンベリフェロンの生成を蛍光光度計で確認した。現在、微細液滴噴霧でその水酸化生成物を確認中である。なお、・OHの生成はスピントラップ剤DMPOを用いて捕捉し、ESR測定を行うことにより確認できたが、過酸化水素量を蛍光試薬BESを用いて定量を試みたが、試薬の分解速度が速く、正確な定量に至らなかった。一方、還元反応では、塩化金酸の還元による金ナノ粒子(Au-NP)の生成確認実験を行った。既に予備実験段階で標準試料のAu-NP(70 nm)の滴下によるTEMグリッドおよびSEMによるキュウリ葉面の観察でナノ粒子(NP)の確認は行っていたが、今回初めて溶液噴霧によるNPの存在を確認できた。
|
| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
微細液滴噴霧で当初予想された水酸化および還元反応が起きることが概ね示されたことから、R6年度の進捗状況としては概ね順調と判断した。噴霧条件に関しては、液流速を2倍にして過酸化水素発生量が維持される条件を示せた点で進展があったものの、微細液滴の回収に関しては今後も検討が必要である。水酸化の反応ではウンベリフェロンの生成の再現性は十分ではないが、・OHの生成はスピントラップ剤で確認されているため、重要な条件が揃えば再現可能と考えている。還元反応ではTEM像200,000倍、SEM像で30,000倍で、それぞれフォルムバール膜上、キュウリ葉面上でナノ粒子を観察することに成功した。しかしながら、蛍光X線によるAuの確認においては、感度的な問題からTEMで倍率を下げたもので確認できたものの、SEMでは確認ができなかった。また、条件により、Au-NPの粒径あるいは凝集径が変化することから、この点においては次年度以降の検討が必要である。
|
| 今後の研究の推進方策 |
現状では微細液滴の回収率が低いため長時間の噴霧が必要になっており、効率の良い回収方法の検討を行う。また、生成する過酸化水素の正確な定量が未達であるため、蛍光試薬を変えて検討を行う。さらに、無機イオンの還元反応の実験では、噴霧条件によりAu-NPあるいは凝集体の粒径が変化することがわかったため、その詳細を確認する。NPは5 nm付近 を境に、葉面から植物に取り込まれるか、表面に残存するかなど、生理学的な違いが予想されることから、粒径制御が重要な課題になると思われる。NPの粒径制御と凝集体の生成制御に関して噴霧条件を検討する。一方、水酸化反応では、微細液滴噴霧によるウンベリフェロン生成の再現性が確認できていないため、更なる条件検討を行う。また、本年度から葉面散布による植物評価法に関しても進める予定である。
|