レアメタルの一つであるビスマスは国内の磁鉄鉱やチタン鉄鉱に存在し、工業的に鉛の代替金属として使用が広がっている。ビスマス鉱床だけでなく、国内の水田からも検出されている。しかし、植物への影響についてはほとんど報告がなく、穀類や野菜への生育影響など全く不明である。近年、我々はモデル植物であるシロイヌナズナがビスマスによって生育が阻害され、鉄の過剰蓄積、細胞死が誘導されることを明らかにした。しかし、その毒性発現機序については不明である。そこで、シロイヌナズナを用いてビスマスの毒性発現機序の一端として、鉄恒常性関連遺伝子の発現および細胞死誘導機構と関連する活性酸素種の生成について明らかにする。
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