研究課題
基盤研究(C)
哺乳動物胚を長期保存する技術は,産子生産の効率化が図れる.現在利用される凍結法は,液体窒素内で半永久的に保存可能だが,凍結・融解時に胚の品質が低下し,高い受胎率が望めない.さらに,保存コストや輸送などの問題がある.代替法の冷蔵法では,保存期間が短く,品質低下も起こる.これらの解決に向けて本研究では,市販冷凍庫内でも凍結しない保存液を作製し,その中で哺乳動物胚を長期保存する新技術「非凍結マイナス18℃保存法」を開発する.ただし,耐凍剤の毒性や浸透圧による悪影響が予想されるため,保存胚の性質(細胞膜正常性,ミトコンドリア膜電位,遺伝子発現など)を詳細に解析し,安全性の高い保存技術を確立する.