研究課題
基盤研究(C)
犬の股関節形成不全は、股関節の不安定性や亜脱臼を主徴とし、続発する変形性関節症により罹患動物の生活の質を著しく落とす、主要な整形外科疾患である。根治療法はなく、発症予測モデルに沿った選択的繁殖プログラムが実施されてきたが、有病率は依然として高い。これに対し我々は、盲導犬協会と協力し、疫学的な情報と個体ごとの一塩基多型(SNP)パターンを組み合わせることで、本疾患に対するゲノム育種価を算出し、これによる新規の発症予測モデルを推定することを目的とする。本研究により、レトリーバー犬種における新たな予測ツールを開発するのみならず、本疾患に存する主たる遺伝学的背景の一端が明らかになるものと期待される。