研究課題
基盤研究(C)
バベシア症に罹患した犬は溶血性貧血、黄疸、脾腫などの重篤な症状を示し、死に至ることもある。治療薬としてアトバコン(ATV)の有効性が知られているが、詳細な作用機序は不明であり、さらに耐性原虫が出現することから完全な駆虫・治療が困難な現状である。問題解決のために多くの薬剤の使用が検討されているが、治療効果が認められている薬剤も含め、バベシアにおける作用標的が解明されている薬剤は存在しない。本研究では、①バベシアに対するATVの作用機序ならびに耐性獲得機構を解明すること、②バベシア駆虫薬の作用標的になり得る部位を探索することであり、原虫性疾患の治療法の確立にむけた基礎的知見を提供することを目指す。