| 研究課題/領域番号 |
24K09355
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分43020:構造生物化学関連
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| 研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
浜田 恵輔 横浜市立大学, 医学部, 助教 (00344052)
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| 研究分担者 |
仙石 徹 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (60576312)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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| キーワード | ペプチドプレニル基転移酵素 / 酵素反応機構 / 基質特異性 / X線結晶構造解析 / ペプチド創薬 / プレニル基転移酵素 |
| 研究開始時の研究の概要 |
ペプチドは医薬品のリード化合物として有用だが、一般には膜透過性や生体内での安定性に課題がある。一方、天然のペプチドでは、翻訳後修飾により高い膜透過性を持つものが存在する。特に、トリプトファンのプレニル化は、ペプチドの膜透過性に加えて、プロテアーゼ耐性や血中安定性の向上にも寄与すると考えられる。 本研究では、複数の新規トリプトファンプレニル基転移酵素の結晶構造解析、生化学実験、分子動力学解析を通じて、これら酵素の基質特異性と反応機構を解明する。本研究成果は、有用性のある改変酵素の創出や膜透過性などの体内動態に優れた次世代特殊ペプチドの開発に寄与すると期待される。
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| 研究実績の概要 |
近年、ペプチドは新たな創薬モダリティとして注目されており、特にタンパク質間相互作用を標的とする薬剤として期待されているが、膜透過性の低さが課題である。一方、微生物由来の天然ペプチドは、多様な化学修飾や環状構造により優れた薬物動態を示す。中でも、疎水性を高め、膜透過性を向上させるプレニル化が注目されている。ペプチドプレニル基転移酵素(以下ペプチドPT)は、特定のアミノ酸残基とプレニルドナーを選択的に認識し、さまざまなペプチドに修飾を導入できるが、基質認識機構の理解は不十分である。中でもトリプトファン(Trp)のプレニル化は膜透過性や安定性の向上に寄与するとされるが、トリプトファンプレニル基転移酵素(TrpPT)に関する基質認識メカニズムの詳細な研究は進んでいない。本研究では、インドール環上の異なる部位を選択的に修飾する可能性のある7種(酵素A-G、酵素名は未発表のため仮名とする)の新規TrpPTを対象に、X線結晶構造解析や分子動力学解析により、基質選択性や反応機構を解明し、ペプチドライブラリー設計に資する知見を得ることを目的とする。 我々は、これまでに酵素AおよびBについて、プレニルドナーアナログと基質ペプチドを含む三者複合体の結晶構造をそれぞれ1.5、2.3Å分解能で決定し、基質認識機構を明らかにした。さらに、酵素DおよびEにおいてもプレニルドナーアナログとの二者複合体の分子構造をそれぞれ1.5、2.0Å分解能で解明した。現在、ペプチドを含む三者複合体の調製および結晶構造解析を進めている。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに我々は、新規トリプトファンプレニル基転移酵素(TrpPT)である酵素A(未発表のため仮名)および酵素Bについて、プレニルドナーアナログであるジメチルアリル二リン酸(DMASPP)と基質ペプチドを含む三者複合体の結晶構造を、それぞれ1.5Åおよび2.3Åの分解能で解析し、酵素による基質認識機構を明らかにした。さらに、酵素Dとプレニルドナーアナログであるゲラニル二リン酸(GSPP)との二者複合体について、1.5Å分解能で構造解析を行い、酵素とGSPPとの相互作用を明らかにした。さらに、ペプチド基質を含む三者複合体の解析も試みたが、ペプチドが結合した状態の構造を得るには至っていない。一方、酵素Eを用いても、GSPPとの二者複合体の結晶構造を2.0Å分解能で決定し、酵素とGSPPの相互作用を明らかにしたが、酵素Dと同様に、ペプチド基質を含む三者複合体の解析には成功していない。
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| 今後の研究の推進方策 |
本研究では、膜透過性に優れた次世代特殊ペプチドの取得技術の開発に貢献することを目的として、以下の研究を計画している。主要な実験として、ペプチドを基質とする7種類の新規トリプトファンプレニル基転移酵素(TrpPT)について、X線結晶構造解析、変異体を用いた生化学的解析、および分子動力学(MD)解析を組み合わせて実施する。 1. X線結晶構造解析:TrpPT、プレニルドナーアナログ、基質ペプチドからなる三者複合体の構造解析を行う。これにより、インドール環のプレニル化位置の選択性、Trpのプレニル化に関わる触媒機構、Trp周辺のアミノ酸残基が選択性に与える影響などを構造的観点から明らかにすることを目指す。また、酵素ごとに異なる基質ペプチドの認識機構や反応機構の共通性・特異性を浮き彫りにする。すでに2種類の酵素(A、B)については、プレニルドナーアナログおよび基質ペプチドを含む三者複合体の結晶構造を決定済みであり、今後、さらに5種類の新規酵素(C~G)について解析を進める。 2. 変異体を用いた生化学的解析:構造解析によって得られた情報に基づき、基質認識や触媒反応に重要と考えられるアミノ酸残基を同定し、各残基の点変異体を作製する。これら変異体の酵素活性を測定し、各アミノ酸残基が果たす機能的役割を明らかにする。併せて、酵素反応の速度論解析も実施する。 3. 分子動力学(MD)シミュレーション:TrpPTにおいて、ペプチド基質中のTrp残基の前後に位置するアミノ酸が酵素-基質複合体の安定性に与える影響を検討する。構造的な揺らぎや結合自由エネルギーを解析し、得られた知見を各酵素に対する最適なペプチド配列設計にフィードバックする。
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