研究課題
基盤研究(C)
精子の尾部の繊毛は、波打ち運動を起こし、卵に向けて遊泳のための推進力を発生する。波打ち運動は繊毛ダイニンと呼ばれるタンパク質により駆動される。繊毛は、受精だけでなく、脳脊髄液循環や気管上皮での異物除去に働くなど、ヒトを含めた真核生物の生命活動に重要な役割を果たす。しかし、繊毛の波形形成という生理学的機能として最も重要な機能を担う繊毛ダイニンの個々の構造は、アミノ酸側鎖レベルでは全く分かっていない。本研究では、繊毛ダイニンの構造を、クライオ電子顕微鏡を使って、近原子分解能で解き、構造から機能を理解することを目的とする。本研究の成果は、ヒトの不妊症の発病の分子メカニズムの解明に役立つ。