研究課題
基盤研究(C)
器官再生は多くの生物で観察される生命現象であるが、ヒトやマウスは器官再生能が乏しい。器官再生が可能な生物と不可能な生物の違いは、再生する器官の元となる『再生芽』を形成する能力の違いであるが、再生芽形成のメカニズムは未解明である。申請者はコオロギの脚再生過程を解析し、マクロファージに発現するNADPHオキシダーゼを機能阻害すると、転写コアクチベーターYAPに依存して再生芽が肥大することを見出した。ROSがYAP依存的に未分化維持因子nanosやpiwiを発現調節する機構に着目し、『脱分化すべき細胞に限局して未分化維持因子の発現が活性化され、再生芽が形成されるメカニズム』の解明を目指す。