研究課題
基盤研究(C)
高標高のような寒冷地域ほど樹木個体の成長は低温に抑制されているため,温暖化によって植物の分布域はより高い標高へ移動すると,漠然と考えられてきた.森林の植生分布は,種ごとの個体群動態(個体の成長や死亡など)によって決まり,これらの過程には個体間競争と気象条件が大きく影響する.本研究の目的は,標高傾度にそった樹木個体の成長と死亡,そして植生分布に対する温暖化の影響を明らかにすることである.中部山岳・乗鞍岳 (3026 m) の長期観察プロット(計4 ha)の毎木調査データ(20年間)と個体群動態を組み込んだランドスケープモデルを用いて,標高傾度にそった植生分布に対する温暖化の予測研究を行う.