| 研究課題/領域番号 |
24K10037
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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| 研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
増川 太輝 横浜市立大学, 医学部, 講師 (10711898)
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| 研究分担者 |
徳留 健 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (00443474)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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| キーワード | 心筋梗塞 / 脳心連関 / 脳内炎症 / 神経内分泌 / 慢性心不全 / 脳内報酬系 / 副交感神経 / グレリン |
| 研究開始時の研究の概要 |
日本では年間3万人以上が心筋梗塞で死亡し、2030年の日本における心不全患者数は約130万人に達する見込みである。よって、難治性心疾患の予後改善をもたらす画期的治療法の開発が求められている。一方、脳内報酬系や副交感神経の活性化により、末梢臓器の免疫動態がダイナミックに変容し、炎症性疾患や癌のモデル動物の病態が顕著に改善することが報告されているが、心疾患と報酬系・副交感神経活性化の関係には不明な点が多い。本研究の目的は、報酬系・副交感神経を活性化すると、心筋梗塞・慢性心不全モデル動物の病態が改善するか否かを検討し、画期的治療法の開発につなげることである。
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| 研究実績の概要 |
末梢臓器の情報は迷走神経求心路により延髄孤束核に送られる。そこで急性心筋梗塞モデルマウスにおいて、孤束核でどのような遺伝子発現変化が生じるかDNAマイクロアレイを用いて検討した。その結果、モデル作製48時間後の孤束核では多くの炎症関連遺伝子発現レベルが顕著に増加していた。次に中枢神経系唯一の免疫細胞であるミクログリアの浸潤を評価したところ、心筋梗塞群では孤束核におけるミクログリア(Iba1陽性)浸潤はsham群に比べて有意に増加していた。心臓は内分泌臓器であり、Atrial Natriuretic Peptide (ANP)を産生・分泌する。ANP産生は心筋梗塞急性期に増加する。またANP受容体は脳にも存在する。そこで心筋梗塞モデルマウスに、ANP0.5nmolを1日2回5日間脳室内投与したところ、孤束核におけるミクログリア浸潤は有意に抑制された。さらに術後28日間の生存率を調べたところ、PBS投与群に比べ有意に死亡率が改善した。ANPの脳室内投与は心不全の指標である心重量および肺重量の増加を抑制した。定量PCR法で術後2日目の炎症性サイトカインmRNA発現レベルを調べたところ、心筋梗塞にて増加したmRNA発現はANP脳室内投与によって有意に低下した。以上の結果から心筋梗塞モデルマウス急性期において脳内炎症が生じること、ANP脳室内投与により脳内炎症が抑制されるとともに術後死亡率・病態が改善することが明らかとなった。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
心筋梗塞モデルマウスにおいて脳内炎症が起きていることを発見し、その治療薬候補として脳内ANPシグナルを見出したので、おおむね順調に進展していると言える。
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| 今後の研究の推進方策 |
以下の3点について重点的に検討を行う。 ・ANPが心臓における免疫動態をどのように制御するのかを骨髄や脾臓などの免疫臓器にも着目しつつ明らかにする。 ・ANPがどのような神経回路を通じて心筋梗塞の病態を改善するのかを明らかにする。 ・遺伝子改変マウスを用いたANPの作用点解析・ANPを静脈内投与した際の脳内ANP濃度を測定する。
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