研究課題
基盤研究(C)
近年,死細胞自身が情報の発信源となって多彩な生体応答を誘導することが明らかになり,炎症慢性化における細胞死の意義が注目を集めている。非アポトーシス型細胞死では,細胞死に伴い放出される細胞内構成成分が自然免疫センサーに対する内因性リガンドとして周囲の免疫細胞に炎症反応を惹起し,種々の炎症病態を形成する。申請者は,非アポトーシス型細胞死の過程において細胞内脂質代謝変容が生じること,この代謝経路に介入することで病態モデルの炎症慢性化を制御し得ることを見出した。本研究により,障害細胞の細胞内代謝変容や内因性リガンド産生機構が明らかになり,細胞死がもたらす慢性疾患の病態解明の一端となることが期待される。