研究課題
基盤研究(C)
鉄ニトリロ三酢酸(Fe-NTA)誘発げっ歯類腎発がんモデルは、鉄を介する酸化ストレスという、ヒト発がんにおいて普遍的と考えられる刺激因子を背景に、動物個体にがんを発生させるものである。このモデルでは、発がん過程に長い期間をかけるため、通常のヒトがんの発生過程との共通性が高くなっている。本研究では、複数のマウス・ラット系統を用いて、発がん試験のためのFe-NTA投与プロトコルを再施行し、前がん病変の形成過程を解析する。種間および系統間で、染色体ゲノム変化およびフェロトーシス耐性獲得の過程の違いを分析することにより、がん発生に決定的となる過程とその条件を明らかにする。