研究課題
基盤研究(C)
胃に慢性感染するピロリ菌 (HP) は消化管疾患だけでなく、胃外疾患にも関係しており、疫学調査ではアルツハイマー型認知症 (AD) の増悪因子と考えられている。AD脳では神経炎症が特徴のひとつだが、申請者は先行研究においてHPをADモデルマウスの胃に感染させると、脳内で神経炎症が誘導されることを見出した。この際、血中にはHPが産生する外膜小胞(HP-OMV)が検出された。HP-OMVは炎症誘導能があり、脳内への移行も可能であるが、AD病理にどの程度影響しているかは不明である。本研究ではHP-OMVの神経炎症の増悪因子候補を同定すると同時に、HP除菌のAD病理軽減効果の有無を検討する。