研究課題
基盤研究(C)
本研究では、医療診断等で利用されているパルスX線の線量率を量子トレーサブルに計測するための基盤技術の開発を行う。既存のX線の線量の国家標準は、線量率(電離電流)が極めて安定した時間的に連続なX線場で構築されている。一方、医療や非破壊検査など、社会におけるX線の利用は、ミリ秒オーダーの短時間に線量率が大きく変化するパルス照射が大半である。このX線の時間構造の違い(連続vsパルス)が、各種線量計の校正や性能試験等の結果に与える影響を定量的に評価することは、線量計測にとって重要である。そこで、時定数を1ミリ秒以下の高速な微小電流計測システムを新たに開発し、パルスX線の線量標準の実現を目指す。