| 研究課題/領域番号 |
24K10855
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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| 研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
田岡 俊昭 名古屋大学, 医学系研究科, 特任教授 (30305734)
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| 研究分担者 |
中道 玲瑛 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (00833667)
長縄 慎二 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (50242863)
中根 俊樹 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (60569789)
伊藤 倫太郎 名古屋大学, 医学系研究科, 特任講師 (80813336)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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| キーワード | 大脳白質病変 / 間質液動態 / 拡散テンソル画像 / 大規模コホート / 大脳白質 / 脳間質液 / Fluidopathy / MRI / 人工知能 |
| 研究開始時の研究の概要 |
大脳白質病変について、虚血性血管障害の観点だけでなく、脳脊髄液・脳間質液および髄質血管などの脳実質のインフラストラクチャーの構造や機能に基づいて分類し、各分類の主たる背景要因を評価することで、大脳白質病変の新たな評価法を提案することを目的として、名古屋大学脳とこころの研究センターの大規模コホートの画像から、人工知能での解析を併用した新たな分類を行い、背景要因と共に検討する。
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| 研究実績の概要 |
本研究課題は、大脳白質病変を従来の虚血性小血管病としてのみでなく、**間質液動態の障害(Interstitial Fluidopathy)**の観点からも評価・分類する新たなアプローチを提案するものである。本年度は以下の2点において顕著な進展があった。睡眠改善薬(レムボレキサント)による治療前後の睡眠指標と、DTI-ALPS法、DCE-MRI、脈絡叢体積(CPV)といったMRIインデックスとの関連性を多角的に評価した 前向き臨床研究(FLUID study) の成果をまとめ、Magnetic Resonance in Medical Sciences誌(MRMS)に原著論文として受理・掲載された。この研究により、睡眠指標(Sleep EfficiencyやTotal Sleep Timeなど)の改善が、間質液動態の改善(ALPS-indexやCPVの変化)と有意に関連することが示され、Interstitial Fluidopathyの概念を臨床的に裏付ける重要な成果となった。さらに、DTI-ALPS法の意義と限界を再検討する包括的レビューを執筆し、同誌にて掲載された。このレビューでは、ALPS-indexが単なるグリファティック機能の代替指標として誤解されることの多さに注意を喚起し、拡散異方性画像に基づく水分子の動き(特にx方向)を示すマーカーとしての定義を明確にした。また、他の非侵襲的評価法との組み合わせによる包括的評価の重要性を提案した。これらの成果は、脳白質病変に対する病態理解を、虚血性変化に加えて脳内液体動態異常という新しい視点から再定義するものであり、本研究の学術的独自性を支持する重要な進展である。今後は、画像AIによる白質病変の分類精度の向上と、より大規模なコホート解析に基づく検証へと発展させていく予定である。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、脳MRIにおける大脳白質病変を、従来の虚血性小血管病変という枠組みにとどまらず、脳内間質液の動態異常(Interstitial Fluidopathy)の観点から再評価し、その新たな分類と意義を明らかにすることを目的としている。令和5年度には、名古屋大学脳とこころの研究センターが実施する大規模脳MRIコホートの使用に関して、学内倫理審査を経て承認を得た(承認番号:2024-0387)。これに基づき、1,000例以上のT2強調画像および拡散テンソル画像(DTI)を含む脳MRIデータのダウンロードを完了した。現在、人工知能(U-net)を用いた白質病変の自動抽出と分類のための前処理作業として、脳抽出、信号の正規化、白質のセグメンテーション処理を進めている段階である。あわせて、拡散画像を用いたALPS-indexの解析準備も進めており、今後は白質病変の分布パターンと間質液動態指標との関連解析を行う予定である。
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| 今後の研究の推進方策 |
現在進行中の前処理作業が完了次第、白質病変の抽出および分類、ならびに拡散画像から得られる指標(特にDTI-ALPS index)との関連性評価を系統的に実施するための解析パイプラインを構築する予定である。本パイプラインでは、MRI画像からの白質病変領域の自動抽出、脳内解剖学的位置に基づく分類、および拡散テンソル画像における異方性指標の計測を一括して行えるように設計し、処理の標準化と再現性の確保を図る。また、画像評価結果と対象者の臨床情報(年齢、睡眠指標、既往歴など)との関連性を統計的に解析する体制も整備する。これにより、大規模コホートにおける白質病変の形態学的・機能的特徴を網羅的に評価し、Interstitial Fluidopathyの観点からの新たな分類法の確立を目指す。解析の自動化と一括処理を可能にすることで、研究の効率化と精度向上が期待される。
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