| 研究課題/領域番号 |
24K10948
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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| 研究機関 | 独立行政法人国立病院機構四国こどもとおとなの医療センター(臨床研究部(成育)、臨床研究部(循環器)) |
研究代表者 |
杉野 政城 独立行政法人国立病院機構四国こどもとおとなの医療センター(臨床研究部(成育)、臨床研究部(循環器)), 新生児内科, 医師 (50793220)
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| 研究分担者 |
中村 信嗣 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (30437686)
日下 隆 香川大学, 医学部, 教授 (50274288)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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| キーワード | 早産児無呼吸発作 / 脳循環酸素代謝 / カフェイン / 心拍変動解析 / カフェイン中毒 |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究では、脳循環酸素代謝変化と神経活動に着目し、血中濃度モニタリングを併用することで、カフェイン血中濃度高値が早産児の脳循環・神経活動に及ぼす影響を近赤外分光装置と簡易脳波計を用いて調べ、早産児脳への影響を明らかにすることを目的としている。本研究の最終目標は、未熟児無呼吸発作を抑制でき且つ安全性の高いカフェインの適正投与量を決定し、早産児の神経学的発達の更なる改善に寄与することを目標としている。
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| 研究実績の概要 |
カフェインは未熟児無呼吸発作の主な治療薬であるが、近年は小脳出血や痙攣重責など脳への有害事象が報告されている。我々は血中濃度モニタリング(TDM)を行うことで、投与量増量によりカフェイン血中濃度が著しく上昇した場合、その後の認知機能が低下する可能性が高いことを報告した。しかし、血中濃度高値時のカフェインによる早産児脳への影響は未だ明らかではない。そこで本研究では、脳循環酸素代謝変化と神経活動に着目し、TDMを併用することで、カフェイン血中濃度高値が早産児の脳循環・神経活動に及ぼす影響を近赤外分光装置と簡易脳波計を用いて調べ、早産児脳への影響を明らかにすることを目的としている。 研究初年度は20例の解析を行った。現在までの解析結果では、カフェインクエン酸塩を8mg/kg以上に増量後に副交感神経の指標(RMSSD)が低下する傾向があることを確認した。また、週数が若いほどその傾向が強いことが分かった。次年度は脳循環酸素代謝と脳波解析も随時行う予定である。神経学的発達評価は修正1歳半と生後3歳で予定しているため次年度以降で解析予定である。 副交感神経指標が低いほど神経学的予後は不要であると報告されている。カフェイン増量による副交感神経指標の抑制が脳循環酸素代謝と相関しているか、引き続き解析を行う予定である。本研究の最終目標は、未熟児無呼吸発作を抑制でき且つ安全性の高いカフェインの適正投与量を決定し、早産児の神経学的発達の更なる改善に寄与することを目標としている。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究初年度は20例の解析を行った。唾液中カフェイン濃度、心拍変動解析は全例で解析が完了した。同時に測定するはずのaEEGは数例のみであった。これは当院のaEEGが研究途中で故障した(正確な時間が記録できない)ためである。保証期間が切れているため修理不可能で新規機器を現在申請中である。またTRSに関しても導入する予定の機器の納入が遅れており次年度より測定を行う予定である。 現在までの解析結果では、カフェインクエン酸塩を8mg/kg以上に増量後に副交感神経の指標(RMSSD)が低下する傾向があることを確認した。ただし、症例の個体差があり全く低下しない症例も存在した。この原因を探るべく自律神経機能の成熟に着目した。自律神経機能は週数とともに変化する(成熟して上昇する)とされている。このため本結果を測定した時点の修正週数毎に群分けして解析を行った。修正週数を若い群(修正32未満)と成熟群(修正33週以降)に分けて解析した結果、若い群ではカフェイン濃度が高いほどRMSSDが低く(R二乗 = 0.7565)、成熟群では相関を認めなかった。この結果からは、修正週数が若いほどカフェイン増量による自律神経機能への影響が強く、週数が進み成熟するほどカフェイン増量による影響を受けにくいと解釈できた。まだ症例が少ないため判断はできないが、若い週数にカフェインを増量して投与すると自律神経機能の成長抑制を起こす可能性がある。一般的に副交感神経活動が低い児ほど発達は悪いとされている。次年度ではTRSを併用してこの現象と脳循環酸素代謝の動きを同時に捉えることで脳への影響も解析する。なお、カフェインクエン酸塩の投与量が8mg/kg未満でも若い群と成熟群でも同様の検討を行ったが、両群ともに相関を認めなかった。
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| 今後の研究の推進方策 |
引き続き測定・解析を行っていく。本年度での解析結果(若い週数ではカフェイン濃度が高いほど副交感神経活動が抑制される)が症例数を増やしても同様の結果になるかを検討する。また、 本年度で測定が十分にできなかったaEEGとTRS測定を重点的に行っていく。
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