研究課題
基盤研究(C)
申請者は、2006年に腸管上皮細胞と腸内細菌との相互作用にかかわる分子の一つとしてChitinase 3-like 1 (CHI3L1)を同定した。CHI3L1は、主要な大腸癌細胞株で細胞質と核周辺に発現しているが、TNF刺激時には、ほぼ9割の細胞で核内に移行する。前年度の科研費研究で、gamma-catenin (JUP)がCHI3L1と結合している可能性を見出している。このデータをもとに、CHI3L1/JUP複合体の核内移行によって、beta-cateninの活性化にも何らかの影響を及ぼし、腸管上皮細胞の異形成化への分子機序を明らかにできるのではないかと考え、早期癌の診断・治療に役立てることを今回の研究の主な目的として研究を推進していく。