研究課題
基盤研究(C)
IgA腎症の治療において、本邦では扁桃摘出+ステロイドパルス療法が広く行われているが、扁摘パルス後の再燃例や腎不全に至る症例を認め、世界的にみてもその効果は限定的である。扁摘後に血中IgA値の低下や、尿所見異常の改善がみられる症例は稀で、抗APRIL抗体や腸管選択的ステロイド薬の国際臨床試験にて、蛋白尿や腎機能低下を抑制できている事実から、本症の粘膜免疫応答異常の主座は腸管であると仮説をたてた。本研究では、IgA腎症モデルを用いて、腸管粘膜固有層やパイエル板におけるT細胞依存的および非依存的な腎炎惹起性IgAの産生機序を解明することを目的とする。