研究課題
基盤研究(C)
移植後長期間経過した移植腎組織ではポドサイト障害に起因する糸球体硬化症を高率に認めるが、慢性移植腎障害の発症におけるポドサイトの関連性に関して十分な検討はなされていない。本研究では、電顕を中心とした組織学的検討により移植早期に生じる潜在性ポドサイト障害が腎予後を規定しうるか否かを明らかにし、ドナーとレシピエントの尿検体の比較を行うことによりポドサイト障害の機序に関する検討を行う。移植腎機能障害とポドサイト障害の関連性が明らかになれば、既存の診断基準では分類できなかった慢性移植腎障害の病態が理解され、移植腎におけるポドサイト保護という観点から移植腎の長期生着率の向上に繋がることが期待される。