研究課題
基盤研究(C)
高安動脈炎は若年発症の大型血管炎である。申請者は高安動脈炎の約70%で検出される2種の自己抗体を同定し、臨床的意義や病態形成能を解明した。高安動脈炎と遺伝学的リスクや合併症が近接する潰瘍性大腸炎においても抗EPCR抗体は70%以上で陽性となる事を明らかにし、高安動脈炎においても腸内細菌叢異常の寄与が考慮される。これらから、標的臓器が異なるものの、相同の病態背景を基盤として各臓器炎症を呈する事が考慮される。本研究の目的は、EPCRの機能、自己抗体の相同性と病的意義、腸内細菌叢異常との関連を解明する事で、治療標的や臨床評価法の探索と、抗EPCR抗体を軸とする新規疾患概念の確立を行う事である。