| 研究課題/領域番号 |
24K11835
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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| 研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
大塚 幸喜 藤田医科大学, 医学部, 教授 (50316387)
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| 研究分担者 |
栃尾 巧 藤田医科大学, 医学部, 教授 (00557291)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2028-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2027年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2026年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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| キーワード | Colorectal cancer / Gut microbiota dysbiosis / Microbiome analysis / 直腸癌 / 腸内細菌 / 一時的人工肛門 / 空置大腸 / プレ・プロバイオティックス |
| 研究開始時の研究の概要 |
【前期2024年度】直腸癌の肛門温存手術と併施して造設されたCI期間中およびCI閉鎖後の腸内細菌叢の経時的変化を検討する。 【後期2025年度】前期の腸内細菌叢の変化に対応したプレまたはプロバイオティックスをCIの肛門側腸管に投与し、CI閉鎖前後の腸内細菌叢の経時的な変化と臨床症状を評価し、プレまたはプロバイオティックス投与の臨床効果を検証する。 【2025年度-2026年度】前期、後期の研究対象症例を、大腸専門外来および看護外来で継続的にLRASスコア(T. Juul, Annals of Surgery 2014)による評価、内視鏡検査でDCの有無を観察する。 【2027年度】結果を報告する。
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| 研究実績の概要 |
本研究は、直腸癌の肛門温存手術において造設される一時的回腸瘻式人工肛門(CI)の管理期間および閉鎖後における腸内細菌叢の変化を明らかにすることを目的として開始した。10名の患者より経肛門的に40検体の糞便を採取し、16S rRNAアンプリコンシークエンス解析を試みたが、16検体で細菌が検出されず、サンプルの不均一性が課題となった。これをふまえ、研究体制を再構築し、研究テーマを「大腸癌手術における切除部位の違いが術後腸内細菌叢に与える影響の検討」へと変更して解析を進めた。対象は2022年4月~2023年12月に当院で根治的切除を受けた大腸癌患者34例であり、右側結腸切除(RSC:9例)、左側結腸切除(LSC:15例)、低位前方切除(LAR:10例)の3群に分類した。術後3か月以降に採取した糞便を解析対象とし、健常成人85名のデータを対照群とした。16S rRNAアンプリコンシークエンスにより得られた細菌叢データに対してα・β多様性の解析を行い、群間比較にはKruskal-Wallis検定およびPERMANOVAを使用した。また、LEfSe解析を用いて各群の特徴的な細菌種を抽出した。その結果、RSC群ではFaecalibacterium prausnitziiやBifidobacterium属などの有益菌の著明な減少と、Escherichia coliの増加が認められ、腸内細菌叢の撹乱と炎症性環境の形成が示唆された。一方、LSCおよびLAR群では、Akkermansia muciniphilaやParabacteroides distasonisといった腸管バリア機能や免疫調整に関与する菌種の増加がみられ、術式ごとの菌叢変化が明瞭となった。今後は採取手法と解析条件を再検討し、当初のCI閉鎖前後における腸内細菌叢の経時的変化の研究を再開する予定である。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していたCI閉鎖前後における腸内細菌叢の変化の検討は、糞便サンプルの一部において菌量不足が生じ、解析困難な症例が複数認められたことから、やむを得ずテーマ変更を行った。変更後の研究では、手術術式の違いによる腸内細菌叢への影響に焦点をあてた解析を進めており、対象症例の登録・糞便採取・解析の各工程は概ね予定通り遂行されている。解析では明確な細菌叢の差異が群間に認められ、特にRSC群でのα多様性の低下や炎症性菌種の増加は予想以上に顕著であった。また、健常対照群との比較により、大腸の切除範囲が術後の腸内環境に与える影響が明確に示された点は、当初の研究目的とも共通する視点を含んでおり、研究の連続性も保たれていると考える。現在、統計解析および結果の解釈を進めており、投稿論文の原稿作成もほぼ完了しつつある。今後は得られた知見と実施経験を踏まえ、当初のテーマであるCI閉鎖前後の腸内細菌叢の経時的変化について、再度解析計画を立て、継続的な研究につなげていく予定である。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後は、現在の研究で得られた知見や課題を活かし、当初の研究テーマであるCI(回腸瘻式人工肛門)閉鎖前後における腸内細菌叢の経時的変化について、改めて研究を推進する方針である。前回のサンプル採取では菌量不足が生じた症例があり、採取法や保存条件が課題と考えられたため、採取キットの見直し、保存方法の標準化、採取時期の明確化、患者への事前説明の強化などを行う。特にCI閉鎖の前後で確実に良質なサンプルを得るため、採取プロトコルの整備を予定している。また、解析方法(16S rRNAアンプリコンシークエンス)の再検討も行い、より精度の高い解析体制を構築する。さらに、術後の排便機能や炎症マーカーとの関連を評価し、腸内細菌叢の臨床的意義を明らかにすることを目指す。加えて、今後は本研究の結果を基に、プレバイオティクス・プロバイオティクス投与が術後の腸内環境や排便機能、合併症予防に与える効果を検討する臨床研究へと展開する計画である。術後の腸内細菌叢の変化に応じた個別化介入の実現に向けて、基盤データの蓄積と介入試験の準備を進める予定である。
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