研究課題
基盤研究(C)
回腸嚢炎は潰瘍性大腸炎の大腸全摘術後の特徴的な合併症であり約3割の症例に生じ、慢性化し難治となることもあり臨床で問題となる (慢性回腸嚢炎)。回腸嚢炎は潰瘍性大腸炎で高頻度に発症する一方で、同じ術式であるにも関わらず、家族性大腸腺腫症での発症は稀で ある。このため、回腸嚢炎の発症機序は潰瘍性大腸炎自体の発症機序と類似性があることが推察される。本研究は、回腸嚢炎、とくに慢性回腸嚢炎の発生過程に焦点をおき、潰瘍性大腸炎および家族性大腸腺腫症の術後の腸内環境の変化を観察することで、通常の腸管順応の 過程、または、回腸嚢炎の発症や慢性化に至る過程を明らかにすることを目的としている。