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生分解性素材を使用した小児用人工弁輪の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24K11961
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分55030:心臓血管外科学関連
研究機関金沢医科大学

研究代表者

安藤 誠  金沢医科大学, 医学部, 教授 (70256569)

研究分担者 岡島 英明  金沢医科大学, 医学部, 教授 (20308604)
西野 貴子  金沢医科大学, 医学部, 准教授 (90411610)
研究期間 (年度) 2024-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード人工弁輪 / 生分解性素材 / 吸収性素材 / 小児用デバイス / リング / 僧帽弁 / 房室弁 / 生分解性
研究開始時の研究の概要

剛性・耐久性にて機能的に十分なSL方向の拡大値が達成された段階で、動物実験に移行する。マイクロミニピッグを使用する。左房切開にて僧帽弁と同サイズの人工弁輪を縫着する。6ヶ月間の飼育期間終了時点で屠殺とするが、その時点で5kg程度の体重増加が望まれる。即ち、この間弁輪の成長を防止することが形態保持効果の確認となる。人工弁輪残存部を計4箇所採取し、光顕・走査電顕にて組織観察を行う。重量保持率を初期値100%として算出する。目標値は50から75%である。これにより、半年までは形態保持機能を有し、1年後には弁輪成長を許容する人工弁輪の分解挙動が確認できることとなる。

研究実績の概要

生分解性素材を使用し、リモデリング機能(Semi-rigid構造)を有し、吸収されて弁輪の成長を阻害しない人工弁輪の作製を目指している。PL単材またはPL・CLを各50%配合(PLCL50)したフィルムを高温下で0.2mmに圧縮して重ね合わせ、リング状に切り取り芯材を作製した。その後、PLCL50スポンジの被覆材を付与して人工弁輪を作製した。力学試験に対応するため、被覆材は全周性のO型とし、一方で内芯はオープンリングのC型とした。結果として、厚み約1mmの人工弁輪が完成した。人工弁輪は加温水に浸透することで加水分解が加速する。PLCL50の加水分解速度は70℃で37℃の14.9倍に相当するため、2日間の浸透で1ヶ月使用後を模擬した状態とした。PLCL50合材:4枚重ね(Sample 1: S1)とPL:2枚+PLCL50合材:3枚重ね(S2)の剛性・耐性試験の結果を示す。既存の論文データにおける既成のSemi-rigid ringの剛性(偏位長:2.16mm)と比較すると、初期状態においてS1の変位長は1.20mm、S2の変位長は0.21mmであった。1ヶ月移植模擬状態では、S1の偏位長が3.29mm、S2の偏位長が0.94mmであった。この結果、S2では移植1ヶ月模擬状態において既成のSemi-rigid ringの剛性が維持される一方で、S1は容易な針の刺入が困難であった。以上の結果を踏まえ、PLおよびPLPCL50フィルムの組成を調整することにより、移植1ヶ月模擬状態において既成のSemi-rigid ringの剛性(偏位長:2.16mm)を維持しつつ、製品化に耐えうる針の刺入の容易さを実現する段階に至り、動物植え込み実験に移行する予定として研究を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2024年度は人工弁輪の試作品の最終版を作製し、動物実験を開始することができた。人工弁輪は、PL単材またはPLとCLを各50%配合(PLCL50)したフィルムを高温下で0.2mmに圧縮して重ね合わせ、リング状に切り取り、芯材を作製した。その後、PLCL50スポンジの被覆材を付与し人工弁輪を完成させた。素材の組み合わせは合計10種に及び、針の刺入の容易さ、合成、耐久性の3点から、PLCL50フィルム1枚+PCL被覆材というシンプルな構造を選択した。力学的試験はオートグラフAGS-X(島津製作所)を使用して行い、専用ソフト(TRAPEZIUM LITE X)でデータ処理を実施した。人工弁輪への単回引張による剛性評価、その後の500サイクル引張試験から、SL方向の変位長の変化をもとに非線形回帰曲線を描出し、1ヶ月間の長期使用におけるSL方向の拡大長を予測して耐性評価を行った。また、市販の人工弁輪を模した実用的なデザインを実現することもできた。この研究過程は2024年の日本胸部外科学会で発表された。この人工弁輪を使用し、2024年度中に2頭の豚を用いた動物実験を開始した。生後2ー3ヶ月の家畜豚(約30kgの個体)を使用し、1頭をさらに保定し麻酔導入を行い、輸血のドナーとした。術前に心臓超音波で僧帽弁輪径を計測し、清潔術野で胸骨正中切開を行った。持参の人工心肺機器、回路、人工肺を用い、ヘパリン投与後に上行大動脈送血・右房脱血で人工心肺を設置した。大動脈を遮断して心筋保護液を注入、左房を切開して人工弁輪を僧帽弁に縫着した。その後、左房を縫合し、大動脈遮断を解除した。豚は1ヶ月間飼育される予定だったが、途中で死亡し、その反省を踏まえ、近日中に再度動物実験を行う予定である

今後の研究の推進方策

新年度は今月より第二回動物実験を施行する予定である。前回の実験結果を踏まえ、以下の点を改善し、より綿密な計画を立てて実験の成功を目指す。実験豚は前日に絶食させ、全身麻酔を施行する。外科的処置の前に、メデトミジン、ミタゾラム、硫酸アトロピンを麻酔前処置として筋肉内投与する。鎮静が確認された後に気道を確保し、吸引麻酔装置を使用する。セボフルランによる全身麻酔に加え、適宜ミダゾラム、メデトミジンまたはプロポフォールを追加して麻酔を維持する。頸部の動静脈から内頸静脈に中心静脈カテーテルを挿入し、動脈には動脈圧カテーテルを挿入することで、トランスデューサーを介して圧測定と薬剤投与を行う。同時に輸液および採血ラインを確保する。乳酸加リンゲル液を用いて薬剤管理を行い、人工心肺回路の充填にはリンゲル液または透析液に電解質とメイロンを加えて補正する。大動脈を遮断して心筋保護液を注入し、左房を切開して右側から処置を行うことで、僧帽弁の視野を改善し、より短時間で人工弁輪を縫着する。その後、実験豚の長期生存を目指し、左房を縫合し、大動脈遮断を解除する。心収縮が十分に回復した後に人工心肺を離脱し、離脱時にイノバンの持続点滴を行う。離脱後はプロタミンを注入してヘパリンを中和する。術中の心電図、心拍、血圧、酸素飽和度、体温をモニタリングし、深い麻酔状態を維持しながら手術を進める。レペタンを用いて十分な鎮痛を行う。閉胸後に感染予防のためセファゾリンナトリウムを静脈内投与し、麻酔から覚醒させる。当日は中心静脈圧および動圧カテーテルを留置し、イノバン持続点滴を行いながら人工呼吸器からの離脱を行う。翌朝には食事を再開し、その後通常の飼育を行う。この間、1日1回観察を行い、術後の鎮痛処置としてフェンタニルテープを使用する。また、感染防止のためにアモキシシリンを経口投与する。

報告書

(1件)
  • 2024 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 生分解性素材を使用した小児用人工弁輪の開発2024

    • 著者名/発表者名
      安藤 誠
    • 学会等名
      日本胸部外科学会
    • 関連する報告書
      2024 実施状況報告書

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公開日: 2024-04-05   更新日: 2025-12-26  

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