| 研究課題/領域番号 |
24K11992
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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| 研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
今西 悠基子 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任研究員(常勤) (10707582)
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| 研究分担者 |
福田 士郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (00896467)
伊東 絵望子 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (80595629)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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| キーワード | アディポネクチン / iPS細胞 / T-cadherin / デザイナー細胞 / エクソソーム / 間葉系幹細胞 |
| 研究開始時の研究の概要 |
細胞移植による再生治療は新たな治療選択肢として普及しつつあり、重症心不全患者にとって福音となっている。細胞移植治療の作用機序として重要なエクソソームの分泌量が治療効果と相関していると予想されることから、遺伝子編集技術により作製したT-cad発現亢進間葉系幹細胞(T-cad-iMSC)において、細胞移植後に血中APNと結合量が増加しエクソソーム分泌量が増加することにより、重症心不全に対する細胞移植の治療効果が向上するという仮説を検証し、細胞移植治療用に特化したエクソソーム産生亢進デザイナー細胞のProof-of-concept取得を目指す。
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| 研究実績の概要 |
心不全の治療において、間葉系幹細胞(MSC)を用いた細胞移植治療が新たな選択肢として注目されており、その治療効果は移植細胞が分泌するエクソソームによるパラクライン作用に起因するとされている。エクソソーム分泌量は治療効果と相関することが報告されており、本研究では、T-カドヘリン(T-cad)と血中アディポネクチン(APN)の結合がMSCのエクソソーム分泌を制御するという先行研究に基づき、T-カドヘリン発現亢進iPSC由来MSC(T-cad-iMSC)を作成し、その機能を評価した。 令和6年度は、ヒトT-cad遺伝子をリポフェクションによりiMSCへ導入し、T-cad-iMSCを作製した。作製細胞におけるT-cad発現量はウエスタンブロッティングで確認し、空ベクター導入群と比較して有意な発現上昇を認めた。エクソソーム分泌能の評価として、培養上清から超遠心法によりエクソソームを回収し、ALIX、hMFG-E8、CD9を用いたウエスタンブロッティングおよびヒトCD63抗体によるELISAで定量評価を行った。その結果、T-cad-iMSCにおいてエクソソーム分泌量が有意に増加していることが確認された。 さらに、この分泌促進効果がAPN依存的であるかを検証するため、アディポネクチンノックアウトマウス血清を用いた培養系において解析を実施した。APN非存在下ではエクソソーム分泌増加は認められず、T-cad-iMSCによる効果がAPN依存的であることが明らかとなった。 心不全モデル動物を用いて予備試験を実施し、左室駆出率(EF)の低下を伴うモデルの作成に成功している。現在、確立済みのモデルに対しT-cad-iMSCを投与するin vivo試験の準備を進めており、次年度前半から本格的な治療効果の検証を開始する予定である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時の計画では、令和6年度中にT-cadherin発現亢進iPSC由来MSC(T-cad-iMSC)の作成と、そのエクソソーム分泌量の評価に着手することを目標としていた。現時点で、T-cad-iMSCの作製は完了し、ヒトT-cad遺伝子導入によるタンパク発現の上昇をウエスタンブロッティングにて確認している。さらに、エクソソーム分泌量の評価においても、超遠心法によって回収した培養上清中のエクソソームをALIX、hMFG-E8、CD9などのマーカーで確認したほか、CD63抗体を用いたELISAによる定量評価でも、空ベクター導入群と比較して有意な分泌増加が認められた。 加えて、このエクソソーム分泌促進効果がアディポネクチン(APN)依存的であるかを検討するため、APNノックアウトマウスの血清を用いた培養系を構築し、APN非存在下ではT-cad-iMSCによる分泌促進効果が消失することを確認した。これにより、T-cad-iMSCのエクソソーム分泌増加効果がAPNに依存していることが明らかとなった。 次年度に予定していた心不全モデルマウスに対する細胞投与実験についても、すでに準備を進めており、予備試験により、心機能低下(EFの低下)を伴う心不全モデルの作成に成功している。細胞投与に必要な手技も確立されており、令和7年度前半よりin vivoでの治療効果評価を開始できる見通しである。 以上のように、細胞作成・機能評価ともに申請時のスケジュールを順調に達成しており、一部では前倒しで進行している点も含めて、研究はおおむね順調に推移していると判断している。
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| 今後の研究の推進方策 |
令和6年度までに細胞の準備が整い、in vitro評価系によりT-cadherin発現亢進iPSC由来MSCがアディポネクチン依存的にエクソソームを分泌することを示した。 令和7年度は本細胞の治療効果の検討を行う。心不全モデルマウスにおいて、細胞投与群と非投与群で心機能の比較を行う。令和8年度にかけて、病理学的検査を行い、血管新生や抗アポトーシス、抗線維化作用に着目して治療効果の機序解明をすすめる。
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