研究課題
基盤研究(C)
癌の手術において鎮痛薬として局所麻酔薬を使用すると、癌の再発が抑制され、癌患者の生命予後が改善することが示された。局所麻酔薬は神経に存在する電位依存性Naチャネルのαサブユニットに結合し、優れた鎮痛効果を発揮する一方、電位依存性Naチャネルは癌細胞の細胞膜にも存在しており、その発現量は癌の浸潤能など悪性度と相関している。これまでの我々の研究により局所麻酔薬リドカインにより誘導されるGDF-15蛋白質の一部は細胞膜に局在するため、GDF-15が癌細胞に発現する電位依存性Naチャネルを介して抗腫瘍作用を示すかどうか明らかにし、局所麻酔薬による抗腫瘍メカニズムを解明することを目的とする。