| 研究課題/領域番号 |
24K12187
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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| 研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
藤谷 茂樹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (50465457)
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| 研究分担者 |
藤島 清太郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任准教授 (00173419)
志馬 伸朗 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (00260795)
佐藤 幸男 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (00445272)
吉田 英樹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (20836952)
若竹 春明 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (80537001)
佐々木 淳一 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (90235250)
則末 泰博 公益社団法人地域医療振興協会(地域医療研究所), 東京ベイ・浦安市川医療センター, 救急・集中治療科 部長 (90870428)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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| キーワード | AMR対策アクションプラン2023-2027 / プロカルシトニン(PCT) / de-escalation / ICU感染管理 / 多項目遺伝子検査 / 迅速診断 / AMR対策 / AMR対策アクションプラン / 抗菌薬de-escalation / 迅速遺伝子診断 / プロカルシトニン |
| 研究開始時の研究の概要 |
2020年に公開された5年間のAMR対策アクションプランでは、注射用抗菌薬は2013年に比べ12.7%増加、多剤耐性菌の減少目標に到達できなかった。国内ICUにおける抗菌薬の使用率調査では、ほぼすべての患者に毎日抗菌薬が投与されていることが報告された。 抗菌薬のde-escalationもしくは変更・中止するには、培養結果、迅速遺伝子診断、プロカルシトニン(PCT)を用いる方法がある。PCTを用いることで、ICUにおける抗菌薬投与量をアウトカムに影響を与えずに削減でき、また迅速遺伝子診断など普及により国内での抗菌薬de-escalationができる可能性がある。
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| 研究実績の概要 |
2024年度の研究活動においては、ICUにおける抗菌薬適正使用の促進を目的に、2つの主要な介入を実施した。第一に、プロカルシトニン(PCT)値に基づく抗菌薬早期中止プロトコルの導入を行った。PCTは感染症の炎症マーカーとして有用であり、本プロトコルではICU入室後0、1、3-4、5-7日目にPCTを測定し、特定の基準(例えば、ピークから80%以上減少かつ<0.5 μg/L)を満たす場合に抗菌薬の中止を検討する。この取り組みにより、抗菌薬投与期間の短縮と広域抗菌薬の使用量削減が期待される。 第二に、抗菌薬のde-escalationを支援するため、迅速遺伝子診断を活用した多項目遺伝子関連検査体制の整備を行った。これは、日本感染症学会および日本臨床微生物学会が示す「多項目遺伝子関連検査の実施指針」に準拠し、血液培養陽性後に遺伝子レベルで病原体と薬剤耐性遺伝子を同定するものである。本検査の保険適用範囲や対象疾患、実施タイミング等を明確化し、感染制御室、薬剤部、医事課と連携して、保険診療内での円滑な運用体制を確立した。 これらの取り組みは、厚生労働省が推進するAMR対策アクションプラン2023-2027における「広域抗菌薬使用の20%削減」や「耐性菌検出率の目標達成」に直結する実践モデルであり、地域拠点病院としての役割を果たすと同時に、将来的な全国展開や大規模研究に向けた臨床運用・体制整備の基盤を形成するものである。また、これらの成果は、医療現場におけるエビデンスに基づいた診療の普及と抗菌薬の責任ある使用を促進する上でも極めて意義深いものと考える。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
3: やや遅れている
理由
本研究はICUにおける抗菌薬適正使用を目的とし、迅速遺伝子診断を用いた多項目遺伝子関連検査の導入体制整備を含むが、現時点で一部遅れが生じている。主な要因として、血液培養でグラム陽性菌が検出された場合の検査体制に施設間差があったことが挙げられる。一部施設では、多項目遺伝子関連検査を用いずに質量分析(MALDI-TOF)やGeneXpertを選択する傾向があり、プロトコールの統一運用に調整を要した。また、本検査は「多項目遺伝子関連検査の実施指針」(日本感染症学会・日本臨床微生物学会)に準拠する必要があり、適応患者の選定や検査実施のタイミングに慎重な運用が求められた。さらに、保険診療内での運用には診療報酬上の算定要件を満たす必要があるため、医事課との調整や事務手続きにも一定の時間を要した。これら複合的な要因により、当初想定よりもプロトコールの本格導入時期が後ろ倒しとなっているが、現在は調整が完了しつつあり、データ取得を含む本格運用に向けた準備が進んでいる。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として、当初は3施設での研究実施を予定していたが、医療現場における働き方改革の影響により、PCR検査の即時対応が困難な状況となったため、当面は聖マリアンナ医科大学病院と聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院の2施設に限定して研究を開始する方針とした。大学病院では、血液培養陽性時にグラム陽性球菌が検出された場合はGeneXpertによる迅速解析を行い、グラム陰性菌の場合に多項目遺伝子関連検査を適用する方針とし、運用体制を整備した。一方、西部病院では、血液培養陽性例すべてに対してグラム染色の結果を問わず多項目遺伝子関連検査を実施する方針とし、感染制御室・薬剤部・医事課との調整を経て、現在、倫理審査委員会への研究計画書提出を準備中である。令和7年度中には研究対象者の組み入れを開始し、PCTプロトコルと合わせて抗菌薬適正使用モデルの確立を目指す。
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