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アミノ酸代謝リプログラミングを標的とした卵巣癌転移機構の解明と新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24K12573
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分56040:産婦人科学関連
研究機関山形大学

研究代表者

永瀬 智  山形大学, 医学部, 教授 (00292326)

研究分担者 清野 学  山形大学, 医学部, 講師 (40594320)
太田 剛  山形大学, 医学部, 准教授 (50375341)
研究期間 (年度) 2024-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード卵巣癌 / 腹水 / 腹膜播種 / メタボローム解析 / アミノ酸トランスポーター / アミノ酸代謝
研究開始時の研究の概要

卵巣癌では、腹腔内播種の制御が重要な予後因子となっている。代謝の視点から転移能獲得をみた場合、転移巣では原発巣の代謝状態を再プログラムし(代謝リプログラミング)、原発巣と異なる代謝特性を獲得していることになる。特に、アミノ酸の代謝リプログラミングは、細胞のシグナル伝達やエピジェネティック制御などにおいても中心的な役割を果たしていることから、本研究では、原発巣と転移病巣のアミノ酸リプログラミングを解明し、リプログラミングを促進する代謝経路または鍵となるトランスポーターを明らかにすることを目的とする。創薬が飛躍的に進歩している現在、本研究はアミノ酸代謝を標的とする卵巣癌新規治療法開発の基盤となる。

研究実績の概要

卵巣癌・卵管癌・腹膜癌として治療されてきた疾患群(以下卵巣癌)では、容易に腹腔内播種を来し腹水を産生する。卵巣癌では腹腔内播種や腹水の制御が予後を左右する重要な要素となっている。代謝の視点から転移能獲得機序をみた場合、転移能を獲得した癌細胞は原発巣の代謝状態を再プログラムし(代謝リプログラミング)、原発巣と異なる代謝特性を獲得していることになる。
この点に着目し、卵巣癌患者および良性疾患患者(コントロール)から得られた腹水のメタボロームプロファイルを比較した結果、卵巣癌由来腹水ではポリアミン代謝経路およびアミノ酸代謝経路の亢進が認められた。これを受け、ポリアミン代謝阻害剤AMXT-1501およびアミノ酸トランスポーターLAT1阻害剤であるnanvuranlatを卵巣癌細胞株に投与し、細胞増殖および浸潤能に対する影響を検討した。使用した細胞株は、腹水産生および腹膜播種形成能が増強されたSKOV3ip1-WT1A(SKOV3ip1細胞にWT1 variant Aをレンチウイルスにより過剰発現させた株)である。AMXT-1501はSKOV3ip1-WT1Aに対して細胞増殖抑制効果を示し、IC50は28.7 μMであった。また、浸潤能に関してもコントロール群と比較して有意な抑制が確認された。nanvuranlatについても同様に、細胞増殖を抑制し、IC50は86 μMであった。浸潤能についても有意な抑制効果を示した。一方で、2つの阻害剤によるアポトーシス誘導の有無を検討したが、いずれもSKOV3ip1-WT1Aに対する明らかなアポトーシス誘導効果は認められなかった。
現在、SKOV3ip1-WT1Aをマウス腹腔内に接種することで作製した腹水産生モデルマウスを用い、AMXT-1501およびnanvuranlatが腹水産生および腹膜播種形成に及ぼす影響を評価中である。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

卵巣癌の腹水産生に関与するポリアミン代謝およびアミノ酸代謝に着目し、それぞれに対する阻害剤を用いたin vitroでの検討が順調に進行している。また、腹水産生モデルマウスを用いたin vivo解析も進行中である。現時点で、ポリアミン代謝阻害剤AMXT-1501の腹水産生抑制効果が確認されており、興味深いことに、同剤は腹膜播種に対しては有意な抑制効果を示さなかった。このことから、腹水産生と腹膜播種形成のメカニズムが必ずしも一致しない可能性が示唆される。現在、ポリアミン阻害剤による腹水抑制メカニズムの解明を進めており、とくに腹水産生の基盤となる炎症応答に着目している。一方、アミノ酸トランスポーター阻害剤については、LAT1阻害剤のin vivoにおける至適投与量および投与経路の検討を継続している段階である。

今後の研究の推進方策

ポリアミン代謝阻害剤による腹水産生抑制効果のメカニズム解明を引き続き進める予定であり、特に腹水産生に関連する炎症応答に着目した解析を行う。アミノ酸トランスポーター阻害剤に関しては、in vivoでの有効性評価のため、適切な投与方法および薬物動態の検討を引き続き行う。

報告書

(1件)
  • 2024 実施状況報告書

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公開日: 2024-04-05   更新日: 2025-12-26  

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