緑内障は成人の失明原因の主要なものであるが根治治療はなく、眼圧下降による進行予防が現状の治療である。眼圧が上がる因子として、①眼圧上昇機序の中心である線維柱帯 (TM)における房水流出抵抗の上昇、②緑内障濾過手術を妨げる術後の結膜下瘢痕がある。ヒトTMは複雑な重層3次元構造であり、術後の結膜下瘢痕も3次元的に形成しているため、2D培養の検討だけでは十分とは言えない。この問題を解決するべく3D細胞培養緑内障モデルの作成に成功した。本研究では2D/3D培養HTM細胞およびHconF細胞モデルを用いて各種緑内障点眼薬や房水中に含まれる様々な生理活性物質の影響をより生体内の環境に近い実験系で検討する。
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