| 研究課題/領域番号 |
24K12793
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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| 研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
吉田 茂生 久留米大学, 医学部, 教授 (50363370)
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| 研究分担者 |
春田 雅俊 久留米大学, 医学部, 教授 (90359802)
石川 桂二郎 九州大学, 医学研究院, 助教 (00795304)
加藤 喜大 久留米大学, 医学部, 助教 (60940640)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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| キーワード | 糖尿病黄斑浮腫 / ファリシマブ / 薬剤耐性 / 糖尿病網膜症 |
| 研究開始時の研究の概要 |
ポストコロナ時代に適した糖尿病網膜症に対する高精度医療システムの構築を目的とする。この目的にむけ、ゲノムワイド遺伝子発現解析で同定した増殖組織特徴的分子であるペリオスチン阻害剤CP4715のIn vitro、In vivoモデル系で眼内増殖抑制効果を検証する。同時に新型コロナ感染流行に伴うマスク装用により変化した硝子体注射後細菌性眼内炎の起炎菌・耐性菌の迅速診断システムの構築を試みる。
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| 研究実績の概要 |
1.ファリシマブを使い、最初に3回連続で注射し、その後は病状に応じて治療間隔を調整していく「3+Treat and Extend(3+TAE)法」による治療成績を検討した。対象は久留米大学病院でDMEの治療を受けた14人(19眼)であり、平均年齢は約61歳、血糖コントロールの指標であるHbA1cの平均は8.8%であった。1年間の治療で視力は改善傾向を示し、DMEも明らかに軽減した。注射の平均回数は年間約7.5回であり、約4割の患者では注射間隔を最大16週まで延ばすことができた。ファリシマブによる3+TAE法は、DMEの症状を改善しながら治療の負担を減らす可能性がある有効な治療である事を確認できた。 2.COVID-19に罹患した282名のうち26名(約10%)に結膜炎が認められた。とくに若年者および喫煙者において、結膜炎を発症しやすい傾向がみられた。結膜炎の発症時期はCOVID-19の発症から数日以内であり、症状は多くの場合3日程度で自然に軽快した。なお、結膜充血以外の眼症状(かゆみ、痛み、視力低下など)はほとんど報告されなかった。COVID-19に関連した結膜炎は比較的早期に発症し、若年者や喫煙者に多いことが明らかとなった。目の症状にも注意を払うことが、感染拡大防止の一助となる可能性がある。 3.硝子体注射予定の患者や結膜炎が疑われる患者から結膜の拭き取り検体を採取し、細菌を培養した。その結果、最も多く検出された細菌がC. macginleyiであった。さらに、この細菌のDNAを解析したところ、抗菌薬の効果に関係する「QRDR(キノロン耐性決定領域)」と呼ばれる部分に特定の変異があることがわかった。特に、Ser-87とAsp-91というアミノ酸の位置に変異がある株は、第2世代から第4世代のフルオロキノロン系薬剤に対して耐性を示していた。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
糖尿病網膜症に対する高精度医療システムの構築を目指し、(1) DME患者に対するファリシマブ3+Treat and Extend(3+TAE)法の治療成績評価、(2) COVID-19に関連する結膜炎の臨床的特徴の解析、(3) 硝子体注射関連眼内炎の起炎菌・耐性菌の迅速診断体制の構築を進めてきた。 まず(1)では、久留米大学病院にてDME患者19眼を対象にファリシマブ3+TAE法を1年間施行した結果、視力の改善傾向と浮腫の軽減を確認した。平均注射回数は7.5回であり、約4割の症例で注射間隔を16週まで延長可能であった。これにより、症状のコントロールと治療負担の軽減を両立できる可能性が示唆された。 (2)では、COVID-19罹患患者282名のうち約10%に結膜炎を認め、特に若年者と喫煙者に多く発症しやすい傾向があった。発症はCOVID-19の数日以内であり、症状は軽度で自然軽快する例が大半であった。これにより、目の症状を初期感染のサインとして捉える重要性が明らかとなった。 (3)では、硝子体注射予定または結膜炎疑いの患者から採取した結膜拭き取り検体を用いて培養・解析を行い、最多検出菌はCorynebacterium macginleyiであった。DNA解析ではQRDR領域におけるSer-87およびAsp-91の変異が、第2~第4世代フルオロキノロンに対する耐性と強く関係することを明らかにした。これらの成果は、今後の耐性菌の迅速検出と個別化抗菌薬選択に貢献することが期待される。 本研究はDME治療の実臨床成績、感染症対策、眼内炎の迅速診断体制整備と多角的に進展している。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後引き続き、糖尿病網膜症に対する高精度医療システムの構築を目指し、主に二つの課題に取り組んでいく。第一に、申請者らが同定した線維血管増殖組織特異的分子「ペリオスチン」の阻害剤である低分子化合物CP4715の眼内増殖抑制効果の検証である。In vitroで、培養ヒト網膜色素上皮細胞および血管内皮細胞に対し、増殖・遊走・接着・管腔形成能の抑制効果を確認し、最適濃度を選定する。 第二に、硝子体注射後眼内炎の起炎菌および耐性菌に対する迅速診断システムの構築をさらに促進する。涙液サンプルを用いた結膜常在菌の分離培養、薬剤感受性試験に加え、塩基配列解析より、第4世代キノロン耐性遺伝子変異を網羅的に同定する。さらにこれに基づき、TaqManプローブ法による迅速診断系の最適化をすすめていく。これらをふまえて、実用化を見据えた次段階への展開につなげていく。
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