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認知症家族介護者の精神健康度に関連する要因と支援プログラムの介入効果

研究課題

研究課題/領域番号 24K13382
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
研究機関宝塚医療大学

研究代表者

上城 憲司  宝塚医療大学, 和歌山保健医療学部, 教授 (90454941)

研究分担者 兼田 絵美  東京医療保健大学, 看護学部, 助教 (00964694)
中村 貴志  福岡教育大学, 教育学部, 教授 (70292505)
菅沼 一平  京都橘大学, 健康科学部, 教授 (80762228)
研究期間 (年度) 2024-04-01 – 2029-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2028年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2027年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
キーワード家族介護者 / 認知症 / メンタルヘルス / 認知症カフェ
研究開始時の研究の概要

研究1として、「精神健康度低下のリスク要因についての前向き研究」を2024年度から2027年度の期間で行う。認知症カフェを利用する家族介護者(約100名)を対象とし、心身機能測定を6ヶ月ごとに4年間フォローアップする。
研究2として、「家族支援プログラムの開発と介入研究」を2026年度から2028年度の期間で行う。
認知症カフェを利用する家族介護者(約100名)を対象とした「家族支援プログラム」介入を5ヶ月間実施し、クロスオーバー法を用いて「家族支援プログラム」の効果を検証する。

研究実績の概要

研究1:認知症家族介護者の精神健康度低下に影響を与える要因分析
本研究では,認知症家族介護者の精神健康度低下に関与する要因を明らかにすることを目的とし,2023年度にA町で実施された体力測定会に参加した地域在住高齢者70名(介護群31名,非介護群39名)を対象に,身体機能・精神機能・社会的要因を多面的に評価した.身体機能は握力,骨格筋指数(SMI),バランス機能,移動機能(ロコモ質問票)を用いて評価し,精神機能には認知機能(MMSE),注意機能(TMT),抑うつ傾向(GDS),ソーシャルネットワーク(LSNS),IADL(老研式活動能力指標)を使用した.
分析の結果,介護者群は非介護者群と比較して,握力・SMI・移動機能が有意に低く,運動時間も短かった.また,GDSによる抑うつ傾向およびLSNSによる社会的孤立が有意に高く,IADLも低下していた(いずれもp<0.05).これにより,介護者は介護負担により身体的・精神的・生活機能の低下を来している可能性が示唆された.
さらに性別に着目した分析では,男性介護者は女性に比して年齢が若いにもかかわらず,社会的孤立やIADL低下が顕著であった.一方,女性介護者にはSMIの基準を下回る者が多く,サルコペニアの疑いが示された.これらの結果から,介護者の支援には性別や属性を踏まえた多様なアプローチが必要であると考えられた.
加えて,GDSの得点が平均5点を上回ることから,多くの介護者に抑うつ傾向がみられ,メンタルヘルスに対する早期介入の必要性が浮き彫りとなった.特に男性介護者は孤立傾向が強く,相談先の確保やピアサポートの導入など,社会的つながりを促進する支援が不可欠である.本結果は今後の介護者支援プログラムの設計において,対象者特性に応じた柔軟な対応の必要性を示す貴重な知見となる.

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では,認知症カフェに参加する家族介護者を対象に,精神健康度の低下に関連するリスク要因を特定し,その後,個別性の高い「家族支援プログラム」を開発・実施して効果を検証することを目的としている.現在までに,研究1として認知症家族介護者の心身機能,介護力,BPSD対応状況等を多面的に評価するための準備を進めてきた.
まず,2023年度より研究協力先であるA町において,認知症カフェ事業への参画を開始した.認知症カフェでは,地域住民,認知症当事者,支援者らが交流する機会が設けられており,研究の周知活動としてポスター掲示や配布資料による情報提供を継続的に実施してきた.しかし,認知症当事者本人や支援専門職の参加は一定数得られている一方で,家族介護者の参加は少なく,「家族支援プログラム」の実施には至っていないのが現状である.
このような状況を踏まえ,研究の実現可能性を高めるため,家族介護者に直接接点のある地域包括支援センターや介護支援専門員との連携強化を図っている.また,研究協力フィールドの拡大を目的として,複数の市町村や認知症関連団体に対して働きかけを行い,2025年度には複数拠点でのベースライン調査の実施を見込んでいる.加えて,家族支援プログラムの構成要素(教育的支援,ピアカウンセリング,創作活動,個別面談)についても,専門職による検討会を重ねており,内容の体系化を進めている段階である.
今後は,引き続き家族介護者の参加促進を図るとともに,ベースライン評価およびプログラム介入の実施に向けた体制整備を進める予定である.

今後の研究の推進方策

今後は,家族介護者の参加が得られにくいという現状を踏まえ,地域包括支援センターやケアマネジャー等と連携し,介護者に対する情報提供や研究協力依頼を個別に行う体制を強化する.特に,在宅で認知症高齢者を介護する家族の中には,認知症カフェへの参加自体が困難な者も多いため,出張型の説明会やオンラインによる支援体制の整備も視野に入れて対応する.また,認知症カフェの開催にあたっては,家族介護者にとって魅力的なテーマやプログラムを盛り込むことで,参加動機を高める工夫が求められる.
併せて,研究1の目的である精神健康度低下のリスク要因の特定に向けて,ベースライン評価に必要な測定機器の整備と研究スタッフの研修を進め,複数拠点における同時展開が可能となる体制を構築する.研究参加者のデータ収集にあたっては,倫理的配慮のもとで継続的なフォローアップを行い,多面的な評価指標(抑うつ,睡眠,体力,介護力等)に基づいたデータの蓄積を図る.
さらに,研究2に向けては,専門職との協働により「家族支援プログラム」の内容を明確化し,教育的支援やピアサポート,創作活動,個別面談の構成要素について実践可能な内容に調整する.今後,プログラムの試行的導入を実施し,内容と効果指標の妥当性を検討した上で,クロスオーバー法による本格的な介入研究へと展開していく.本研究の成果は,在宅介護破綻予防に資する支援モデルの確立と地域包括ケアにおける家族支援の強化につながることが期待される.

報告書

(1件)
  • 2024 実施状況報告書

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公開日: 2024-04-05   更新日: 2025-12-26  

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