| 研究課題/領域番号 |
24K13600
|
| 研究種目 |
基盤研究(C)
|
| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
|
| 研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
本田 可奈子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 教授 (60381919)
|
| 研究分担者 |
米田 照美 滋賀県立大学, 人間看護学部, 准教授 (00353037)
橋本 宣慶 滋賀県立大学, 工学部, 准教授 (00433699)
門田 陽介 滋賀医科大学, 医学部, 特任助教 (00961781)
伊丹 君和 滋賀県立大学, 人間看護学部, 教授 (30310626)
関 恵子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 講師 (40760393)
山下 敬 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (50758018)
千田 美紀子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 講師 (90614595)
|
| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
|
| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
|
| 配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
| キーワード | VR/AR / 看護学生 / メタ認知 / 協同学習プログラム / VR / AR / 共同学習 |
| 研究開始時の研究の概要 |
人の認知は視覚に大きく依存しており、とくに高いメタ 認知スキルをもつ熟練看護師の観察行動は、メタ認知の実践的な育成に活用できると考えた。近年教育現場に浸透した VRは、臨床場面の 非言語的で多様な視覚的情報を活用でき、現実をよりリアルに再現できるとともに、AR技術を取り入れることで、さらに学習効果を強化できると考えた。本研究はVR/AR技術を用いて熟練看護師の観察行動をもとにした協同学習プログラムを開発し、評価することである。これにより、汎用的な体験型教材の作成方法を提案することができる。
|
| 研究実績の概要 |
本研究は、熟練看護師と看護学生のVR動画観察における視線行動の差異に着目し、熟練者が有するメタ認知スキルをアイトラッキングにより実証的に明らかにすることを目的としている。初年度よりデータ収集に着手する計画であったが、視線解析の方法論や実施環境について、より精緻な設計が必要であることが明らかとなった。そのため、計画を一部見直し、実践的知見を得るための現地調査を優先的に実施した。具体的には、VR教育の先進的導入で知られる千里金蘭大学看護学部・合田友美教授、および福井大学医学系部門看護学領域・佐藤大介教授を訪問し、各大学におけるVR教材の活用状況、導入体制、教育効果の評価方法について詳細な意見交換を行った。両氏からは、VRによる実践教育を円滑に進めるうえで、機材選定や教員間連携の重要性、アイトラッキングを含む客観的評価指標の活用可能性について貴重な示唆を得ることができた。さらに、両大学において共通して用いられていた、ビジネスエンジニアリング社製の「mcframe MOTION VR-learning」ソフトウェアについて紹介を受け、本研究においても当該ソフトの導入を決定した。同社との協議を経て、ソフトウェアの購入手続きへと進んでおり、今後の研究体制構築に向けた大きな一歩となった。また、視線解析の適用により、VR教材が学習者の注意配分や認知特性に与える影響を可視化できる可能性についても展望が得られた。 これらの活動は、当初の研究目的に照らしても極めて有意義な準備期間であり、今後の実証研究における方法的妥当性と教育的実用性を高める基盤づくりとして重要な意味を持つ。
|
| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
4: 遅れている
理由
令和6年度は、学部内における複数の重要な委員長職(入試委員会および学部付属施設の地域交流看護実践研究センター)を兼務するなど運営面での責任が重く、また前期課程大学院生2名の修了支援にも多くの時間と労力を要した。加えて、博士後期課程の設置に向けた学内手続きや準備業務が本格化し、関係部局との連絡調整、書類作成、学内説明等に断続的に対応する必要があった。これらの業務は年度を通じて継続的に発生し、結果として、当初計画していたVR動画を用いた視線データの収集および分析といった研究の中核的作業に着手する時間の確保が困難となった。 ただし、そのような状況下においても、研究の進展を目指してできる限りの準備的取り組みを行った。具体的には、看護教育へのVR技術活用に関して先進的な実践を行っている大学を訪問し、現場での実装状況や課題、評価手法に関する実践的知見を得ることができた。千里金蘭大学および福井大学での取り組みを通じて、VRコンテンツの選定や導入時の体制整備、視線解析を活用した教育評価の意義について理解を深め、視線行動の分析方法を再検討するきっかけとなった。これらの成果を踏まえ、現在、視線解析を取り入れた新たな研究計画書を策定中であり、令和7年度前半には倫理審査の申請を行う予定である。研究の本格的実施は次年度に持ち越されたものの、理論的枠組みや技術面での準備は着実に進んでおり、今後の展開に資する重要な基盤整備がなされたと評価している。
|
| 今後の研究の推進方策 |
令和7年度は、これまでに蓄積した知見と準備状況を踏まえ、研究計画を本格的に遂行する年度と位置づけている。まず、現在策定中の研究計画書を完成させ、速やかに倫理審査委員会に申請する。承認が得られ次第、VR教材を用いた視線解析の予備的調査に着手する予定である。使用するVR教材には、臨床場面を想定したシナリオに基づく動画を作成し、ビジネスエンジニアリング社の「mcframe MOTION VR-learning」にて、視線解析を可能にする。 実際の調査では、熟練看護師と看護学生の視線行動を比較分析し、観察過程における注意の配分やメタ認知的な特徴の違いを明らかにする。視線データの取得にはアイトラッキングシステムを用い、収集したmcframe MOTION VR-learningを用いて定量的に評価する。加えて、各対象者に対して半構造化インタビューを実施し、視線行動と内的な認知活動との関連を探索する予定である。 これにより、視線解析を通じたメタ認知評価の可能性を明らかにし、VR教材が学習者の認知的成長に与える影響を多面的に検証する。また、VRと視線解析を組み合わせた教育支援の枠組みについて、費用対効果や再現性、導入の汎用性といった観点からも検討を加えることで、応用的な教育手法の開発にも貢献することを目指す。 今年度は、予備的検証を通じたプロトコルの確立と、初期的な成果の論文化を目標とし、次年度以降の本格的な展開に向けた基盤づくりを進める計画である。
|