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「倫理的対話:リフレクティング」が精神科看護師の倫理的コミットメントに与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 24K13659
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分58050:基礎看護学関連
研究機関岩手医科大学

研究代表者

遠藤 太  岩手医科大学, 看護学部, 教授 (20404882)

研究分担者 高崎 邦子  岩手医科大学, 看護学部, 講師 (10910276)
熊地 美枝  岩手医科大学, 看護学部, 准教授 (40320642)
研究期間 (年度) 2024-04-01 – 2028-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2027年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
キーワードリフレクティング / 倫理的コミットメント / 虐待 / 倫理カンファレンス / 精神科看護
研究開始時の研究の概要

本研究は、精神科看護師が倫理的意識を高め、患者の人権を尊重し、ケアの質を向上させる方法を模索すること、及び虐待防止と倫理的組織風土の促進を目指す。
対話的リフレクティング実践を通じ、看護師の倫理的コミットメントと職業的モチベーションの向上を図り、精神科における虐待問題への対策を探究する。倫理カンファレンスでのリフレクティング導入により、看護師たちは患者ケアの倫理的実践に焦点を当てた対話を行い、ストレス低減、倫理的コミットメント増加、倫理的組織風土形成を目指す。

研究実績の概要

本研究は、「倫理的対話:リフレクティング」が精神科看護師の倫理的コミットメントに与える影響を明らかにすることを目的としている。精神科病院において虐待事案が社会的信頼を揺るがす中、看護師が倫理的感受性を高め、ケアの質を向上させる方法を探ることは喫緊の課題である。今年度は、研究自体の進行は限定的であったが、研究実施の基盤となる自己のリフレクティング能力の向上を目的に、複数の研修に参加した。「精神科看護管理研究会」「岩手県立大学地域協働研究主催のリフレクティング研修会」「福島県立医科大学主催リフレクティング研修―メディケーションフリー・トリートメントは芽生えるのか」等を通じて、多角的な視点を持ち、出来事や経験を単一の視点から捉えるのではなく、患者さん、家族、支援者、そして自分自身の視点を含めた複数の視点から深く掘り下げるプロセスの大切さを学んだ。また、リフレクティングを通じて、カンファレンスや倫理検討において、患者さんの語りや意向を丁寧に振り返り、その背景にある思いや価値観を理解しようとする姿勢を強化できることも、改めて学習した。さらに、それぞれの役割や経験に基づく困難さや葛藤をリフレクティングにより共有することで、チーム内の共感や相互理解が深まり、より協力的で支持的なチーム文化が育まれるなど、倫理的対話の根幹を体得する機会を得た。また、虐待防止委員会の外部委員として参画し、フィールドとなる精神科病院の組織風土と倫理的課題の現場的把握に努めた。
次年度は【A.精神科看護師のモチベーション研究】を実施する。日本医療機能評価機構認定の精神科病院50施設の看護師1,500名を対象とし、Webアンケート調査を実施し、本格的な研究実施に向けた基盤整備を行っていく。

現在までの達成度
現在までの達成度

3: やや遅れている

理由

今年度は研究の本格的実施に至るまでの準備に時間を要し、進行が遅れていた。
主な理由は三点ある。第一に、研究の中核をなす「リフレクティング」について、研究者自身が理論的理解と体験的理解の双方を深める必要があると判断し、複数の研修や研究会に参加し、自己の対話力や倫理的感受性を高める時間を意図的に確保したことである。リフレクティングは、単なる技法ではなく、参加者全員の内省と相互理解を促す繊細なプロセスであるため、研究実施者自身の姿勢と力量が問われると感じた。

第二に、研究のフィールドとなる精神科病院の実態を把握するため、倫理委員会および虐待防止委員会の外部委員として実際の病院組織に関与し、現場の倫理的風土や看護師の思考様式、チームダイナミクス等を観察・理解する過程に時間を費やした。これは、単なる外部研究者としてではなく、信頼関係を築いた上で現場に入り込むために必要な時間であった。
第三に、精神科看護師を対象とした全国規模のアンケート調査(ワーク・モチベーション研究)を準備する過程で、調査項目の選定、倫理審査申請、対象施設の選定と連絡調整等に想定以上の時間と労力を要した。
以上のように、今年度は研究の基盤形成を重視したため、調査や分析といった実質的な研究活動は限定的であったが、次年度以降の着実な進行に向けた土台を整えることができたと捉えている。

今後の研究の推進方策

今後は、今年度に整備した基盤をもとに、研究A(精神科看護師のモチベーション調査)および研究B(倫理リフレクティングの実践と評価)を並行して推進する。
研究Aでは、全国の精神科病院に勤務する看護師1,500名を対象にWebアンケート調査を実施する。調査項目は、ワーク・エンゲージメント、ワーク・モチベーション、虐待組織要因、通報義務化への意識などで構成されており、看護師の倫理的コミットメントに影響を与える要因を明らかにする。分析には多変量解析とSCATを用い、数量的・質的両面から包括的に評価を行う。
研究Bでは、研究Aに協力した病院の中から1~3施設を選定し、倫理的リフレクティングを実践する。対象は、同意を得た看護師・准看護師で、各施設10名以内を想定している。まず、看護倫理、患者虐待、リフレクティングに関する研修を実施し、その後2か月ごとに数回のリフレクティング・セッションを行う。各回では、参加者が日々の看護で感じた倫理的な「モヤモヤ」をもとに、他者と評価を伴わない対話を行い、内省と相互理解を深めることを目的とする。
また、継続的に参加した看護師への半構成化インタビューを実施し、倫理的態度や組織風土への影響について語られた内容を収集・分析する。得られたデータは質的手法により分析し、倫理的成長の過程やリフレクティングの効果を理論的に整理する予定である。これらの取り組みを通じて、精神科看護師の倫理的コミットメントを育むための実践モデルの構築と評価を目指す。

報告書

(1件)
  • 2024 実施状況報告書

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公開日: 2024-04-05   更新日: 2025-12-26  

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