研究課題
基盤研究(C)
ヒトは自己の身体を私のものと認知していますが,脳が壊れるとこの自己身体認知も障害されます.つまり,自己身体認知の背景には脳内の感覚統合プロセスが関わっていると言えます.さらに,自己身体認知は人工物にまで拡張することが分かっています(人工物の身体化).研究者は,身体化した人工手の運動観察中に観察者の手が無意識に動く現象を発見しましたが,そのメカニズムは不明なままです.本研究では,脳の推論機能から運動生成を捉える能動的推論の概念に着目した仮説を提案し,その妥当性を明らかにする予定です.本研究の成果は,運動観察に伴う運動システムの活性化を利用したトレーニング法やリハビリ法に繋がることが期待されます.