研究課題
基盤研究(C)
血管性認知症は、アルツハイマー病に次いで患者数が多く、有効な治療薬が未だ存在しない疾患である。主に生活習慣病が原因となる脳梗塞によって発症し、脳血管障害が起こるたびに認知機能が段階的に低下していく。しかし、生活習慣病を伴う脳梗塞の病態が不明のままで、治療標的が見出せていない。糖代謝を制御するnicotinamide phosphoribosyltransferase (NAMPT) は、加齢に伴う記憶学習能障害や細胞生存に関わるが、中枢高次機能の発揮に重要な脳血管での役割は明らかでない。本研究は脳血管周囲のNAMPTの発現機序とその役割を明らかにし、新たな治療標的としてのNAMPTを検証する。