研究開始時の研究の概要 |
極値統計学は標本の極値の漸近分布の性質を用いて確率分布の裾の部分について推測を行う手法であり,高水位,洪水などの極端気象現象の分析に応用される.本研究の目的は,多変量極値の統計的手法とその基礎となる理論の開発である.特に,多変量分布において高分位点(標本の大きさに比べて非常に大きい確率の分位点)が一定値を超える要素すべてが選択される確率が事前に定めた値以上になる統計的手法の開発する.標本およびブートストラップ標本の経験裾分位点過程の展開を多次元に拡張し,必要な統計量の漸近分布を求める.応用としては,自然災害の原因となる気象現象の空間データ分析が考えられる.
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