本研究の目的は、耐量子計算機暗号の代表的なものの一つである多変数公開鍵暗号が基づく連立多変数代数方程式の求解問題の計算量的困難性について、理論および計算機実装の双方から解析を行い、それらに基づく新しい耐量子計算機暗号の提案を行うことである。本研究は2024年度から2028年度までを想定し、前半の3年間は多変数連立代数方程式の解法で一般的に利用される汎用性の高いグレブナー基底計算アルゴリズムについて、多変数公開鍵暗号でよく用いられる2次の連立方程式系に入力を絞り、F4やその亜種ともみなせるM4GBの高速実装を中心に取り組みたい。後半の2年間ではそれらに基づく新しい方式の提案に取り組みたい。
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