| 研究課題/領域番号 |
24K15313
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分63030:化学物質影響関連
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| 研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
前川 文彦 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康領域, 上級主幹研究員 (40382866)
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| 研究分担者 |
田中 厚資 国立研究開発法人国立環境研究所, 資源循環領域, 研究員 (10896327)
伊藤 智彦 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康領域, 主任研究員 (60391067)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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| キーワード | 脳 / ナノプラスチック / 体内動態 / 細胞 |
| 研究開始時の研究の概要 |
マイクロプラスチックよりも粒径の小さいナノプラスチックは多くの細胞に取り込まれ、高い有害性を示す可能性が指摘されている。本研究では、蛍光標識体と透明化技術を用いてナノプラスチックの脳への移行を網羅的に解析するとともに、発達期曝露による動物個体レベルでの有害性検討を組み合わせることで、ナノプラスチックの発達期の脳神経系への移行量と有害性の因果関係を明らかにする。また、ヒト培養神経細胞を用いた細胞レベルの有害性評価と脳移行量解析を行い、総合的にヒト健康リスク評価に必要な情報を提供する。
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| 研究実績の概要 |
培養神経細胞株やマウス個体を用いた蛍光標識されたポリスチレン・ナノプラスチック粒子の取り込み実験を行った。ポリスチレン粒子の粒子径は500 nmと50 nmの2種類を比較した。培養神経細胞株に関しては、培養液中に粒子を添加し投与3時間後の培養細胞を用いて共焦点レーザー顕微鏡やFACSを使って細胞内取り込みを評価した。その結果、500 nm径と比較して、50 nm径でより多数の粒子の取り込みが観察できた。マウス個体に関しては新生仔に対して500 nm粒子径と50 nm粒子径のポリスチレン・ナノプラスチック粒子を経口投与し、24時間後に灌流固定を行い、固定後蛍光実体顕微鏡で組織の観察を行った。その結果、消化管に強い蛍光が認められたが、消化管以外では特に50 nm粒子径ポリスチレン・ナノプラスチックに関して新生仔の脳に強く蛍光が認められ、脳にナノプラスチックが蓄積することが明らかになった。現在ナノプラスチックを投与した個体から得られた脳を透明化した上でLightSheet顕微鏡を用いて観察することで、脳内のナノプラスチックの局在に関する網羅的な情報収集を行っているところである。本研究における重要な発見としては細胞株でも動物個体でも、500 nmより50 nm粒子径のナノプラスチックの方が体内蓄積量が増えることであり、体内動態を考える上で粒子径は重要な要因であることが明らかになった。また、脳に選択的に取り込まれるという点に関しては、これまで研究されてきた様々な化学物質の動態と比較して極めて特異な現象であり、そのメカニズムを更に解析していきたいと考えている。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
蛍光標識ナノプラスチック曝露個体に対するLightSheet顕微鏡での観察が順調に成功し、脳局在に関する情報も十分に得られつつある。このような脳局在に関する情報に関する既存の報告はなく、科学的に重要な知見が得られている。
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| 今後の研究の推進方策 |
1年次の体内動態解析の結果に基づき、ナノプラスチックが曝露された動物個体の行動実験も開始し、有害性に関する評価も行っていく。また細胞実験に関して、ナノプラスチックが細胞内に入るメカニズム解析や有害性評価も行う。現在までに急性毒性は比較的弱いと考えられるデータが得られているので、慢性毒性や発達神経毒性等長期的なスパンで影響がでそうな生理指標に関する研究に関して特に注力する予定である。
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