研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、宗教と観光が同時に進行し接触する過程で現れる「創発空間」の問題と可能性を、葛藤、対話、調停、そして創造の動態に注目しながらフィールドワークを通じて実証的に解明することである。祝祭と巡礼の具体的事例について、フィリピンという国家コンテクスト内で宗教と観光の2つの領域がどのような状況下で接触しているのか、どのような葛藤が生じ対話や調停が試みられているのか、そしていかなる創造が発現しているのか、明らかにする。さらに、それら創発がローカルな生活世界にいかに浸透し影響を与え、どのような空間が地域に生じているのか、検討する。その上で「宗教と観光の創発空間」についての一般理論化を試みる。