| 研究課題/領域番号 |
24K15602
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分80040:量子ビーム科学関連
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| 研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
坂中 章悟 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, シニアフェロー (20178560)
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| 研究分担者 |
山本 尚人 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 准教授 (60377918)
山口 孝明 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 特別助教 (00981060)
高嶋 圭史 名古屋大学, シンクロトロン光研究センター, 教授 (40303664)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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| キーワード | 次世代放射光源 / 高調波空洞 / バンチ伸長 / ビーム物理 / ビーム不安定性 |
| 研究開始時の研究の概要 |
本研究では、超高輝度の放射光を発生する次世代放射光源において問題となり得るビーム物理現象を探求する。最先端の次世代放射光源では、ビーム内での電子同士の散乱によりビームの品質が劣化するという問題点があるが、電子の集団(バンチ)を進行方向に伸ばすことでこの問題を緩和できる。しかし電子バンチを伸ばす場合、従来の光源加速器では見られないビーム不安定現象が発生する可能性がある。本研究では、シミュレーション研究によりこれらの新しいビーム物理現象を探求すると共に、既存の光源加速器を利用した実験を行うことにより、次世代放射光源で電子ビームを安定に蓄積できる技術の実用化を目指す。
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| 研究実績の概要 |
本研究では、高調波空洞を導入した場合の大強度ビームの物理を解明するため、1) シミュレーションおよび理論的研究、2) 既存の光源加速器を用いた実験的研究、を行っている。令和6年度の研究実績は以下の通りである。 1) シミュレーションおよび理論的研究:KEKで検討を進めているエネルギー(2.5/5 GeV)選択式高輝度放射光リングについて、最適な高周波加速とバンチ伸長に用いるシステムを検討した。理論的な考察により、主加速空洞と高調波空洞の加速モードのインピーダンスに由来する縦方向バンチ結合型不安定性を避けるためには、様々な工夫が必要であることが明らかになった。その対策として、複数の方策を考案した。引き続き、多粒子シミュレーションでこれらの検証を進めている。また、高輝度放射光リングにおける抵抗性インピーダンスに起因するビーム不安定性の見積りを行った。 2) 既存の光源加速器を用いた研究: フォトン・ファクトリー電子蓄積リングで過去に行われた、電子の集団(バンチ)が縦方向に一斉に振動する振動(コヒーレント・シンクロトロン振動)の測定において、これらの振動数が理論的予測と合わないという興味深い現象が見つかっている。他の加速器で同様の現象が起こるかを調べるため、あいちシンクロトロン光センターの1.2 GeV光源加速器において、コヒーレント・シンクロトロン振動の測定を実施した。加速電圧およびビーム電流を様々に変えてこの振動数を測定した結果、コヒーレント振動数の加速電圧およびビーム電流への依存性が、PFリングとはやや異なる興味深い振る舞いをしていることがわかってきた。これらの実験結果の解析を進めており、その結果を国際会議(IPAC2025)で発表する予定である。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
令和6年度の研究により、エネルギー選択式高輝度放射光リングにおいてバンチ伸長システムを導入する場合の課題とその対策が明らかになった。この成果を踏まえて、高周波加速および高調波空洞の現実的なパラメータのもとでの多粒子シミュレーションが実施できるようになり、高調波空洞を導入した場合の大強度ビームの物理に関するシミュレーションおよび理論的研究が順調に進んでいる。 また、あいちシンクロトロン光センターにおいて、本研究課題に関するマシンスタディを行うことができ、実験的研究に関して大きな進展があった。得られたデータの解析も順調に進んでいる。
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| 今後の研究の推進方策 |
1) シミュレーションおよび理論的研究: KEKで検討を進めているKEK次期光源加速器のケースを例に取り、高調波空洞を導入した場合のビーム不安定性に関するシミュレーション研究を進める。まず主空洞・高調波空洞の加速モードのインピーダンスに起因するロビンソン不安定性、および静的ロビンソン不安定性について研究を進める。また、リングの結合インピーダンスに起因するバンチ結合型ビーム不安定性の振る舞いが高調波空洞によってどのような修正を受けるのかを多粒子シミュレーションで研究し、その結果の考察を進める。これらにより、高調波空洞を導入した場合の大強度ビーム物理の解明を進める。 2) 既存の光源加速器を用いた実験的研究:あいちシンクロトロン光センターにおいて前年度に実施したコヒーレント・シンクロトロン振動数の測定結果の解析を進め、理論的な予測との比較を行う。その結果を踏まえて、理論モデルの修正やシミュレーションを行い、大強度ビーム物理の解明を進める。
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