研究課題
基盤研究(C)
近代以降、住まいのインテリアは住む人の趣味を示す指標であり、個性の表出であるとされてきた。近代初期の日本ではその担い手は男性であったが、戦後は女性に変わり、その後1990年代からは男女ともにインテリアへの関心が高まった。中流層のインテリアによる自己表現の欲望が強まる中、良い趣味という価値基準を逸脱してしまうという矛盾した状況も派生した。本研究ではこれまでの自身の研究をふまえ、近代日本において一般市民が趣味のよいインテリアを目指す中で生み出していくデザイン表象の特徴を明らかにする。1990年代以降の状況にも焦点をあて、趣味の大衆化に伴う価値基準の解体、変容過程を明らかにする。