研究課題
若手研究
本研究は、シラーの美的教育論の作用影響史を描き出す試みであり、なかでも20世紀のフランス哲学に焦点を合わせて美的教育論の展開をあとづけようとするものである。価値が多元化し、芸術が複雑化した現状をふまえつつ、今あらためて芸術の教育的意義や実存的意義をいっそう深く考究することを目指す。「人間がより善く生きるために芸術が独自になしうることは何か」という問題を根本的かつ多角的に考察することは、美と倫理の関係をめぐる学術的探究にも貢献することにもなるし、現代社会に対する学術の貢献にもなるはずである。