研究課題
若手研究
本研究は、19世紀のドイツ文学における障害像を分析することで、近現代のドイツ語圏社会における障害像の変容についての大規模な研究の一部を構成する。方法論としては、現代の障害学におけるモデルを応用し、個人の特徴としての「障害」、社会環境が生み出すものとしての「障害」、それらをもとに形成される文化的イメージとしての「障害」の3つを区別して障害像を整理する。それによって、19世紀には障害像が他者からの視点によって文化的に一面化・固定化される(ロマン主義的障害像)と同時に、各自に個別の苦悩(スティグマ)や社会的不利益にも反省的に目が向けられ(リアリズム的障害像)、障害像が多様化することが明らかとなる。