研究課題
若手研究
20世紀後半以降におけるイタリア語の文法書は、その理論的基盤に関して二分されている。ラテン語以来の伝統を保持しつつ言語学の視点をとり入れて洗練させたものと、より革新的な言語学のモデルを前提に一般的・普遍的な「ことば」の表出の一つとしてイタリア語を見るものである。後者はしばしば前者と比して正確な文法記述を提供してきたが、一方で理論の抽象性と個別言語としてのイタリア語の記述が衝突してきた。本研究はこうした状況を整理しつつ、イタリア語文法記述のあり方を探る。