現在、日本の離島は人口減少と高齢化が進み、活力の低下が叫ばれている。離島における就業人口の減少を抑えるには、適切な産業振興が求められるが、その解決は難しい状況にある。特に、離島の自然条件を生かした産業である漁業も、就業者数の減少と高齢化に伴い衰退傾向にある。本研究では、水産物流通を担う人々の活動実態や経営状況に関する量的・質的データの収集を通して、離島の地理的特徴にあわせた漁業者による島内・島外への組織的・個人的な水産物の出荷活動の実態を明らかにする。あわせて、島内で展開する小規模な流通がコミュニティ形成に与える効果も検証する。
|