研究課題
若手研究
日本の所得税法に「所得」の定義は設けられていない。この点、学説上は、個人が得た全ての経済的利得が所得に含まれるとする包括的所得概念を採用すべきことが説かれてきた。もっとも、包括的所得概念を前提としても、その意味内容には未だ議論の余地がある。そして、贈与により得た利得については、包括的所得概念が定式化された段階から議論されてきたものの、具体的な制度との関係をふくめ、未解決の問題として残っている。以上のような状況への対処として、本研究では、個人所得課税における贈与の取扱いという問題について、特に所得概念との関係から論じたい。